本連載では、先進的な働き方やオフィスデザインを取り入れている企業に潜入し、思わず「うらやましい」と声を漏らしてしまうような内容を紹介していく。「これからのオフィスはどうしようか……」と考えている読者の手助けにもなれば幸いだ。

連載の第1回となる今回は、2022年10月に開業を迎えたばかりの「九段会館テラス(旧九段会館)」(東京都 千代田区)をご紹介しよう。

九段下駅を出て皇居の方へ歩き出すと、すぐにひときわ古風な建物が目に入る。1932年に昭和天皇の即位の礼を記念して建てられたこの旧九段会館は、当時は軍人會舘と呼ばれていた。在郷軍人会の本部が設置されたほか、軍の予備役の宿泊施設などとして使われていたようだ。

  • 「九段会館テラス」外観

    「九段会館テラス」外観

1957年に日本遺族会に無償払い下げされ九段会館へと名称を変えると、古風な外見はそのままに結婚式場や宿泊施設、貸し会議室として提供された。ホールではサザンオールスターズをはじめ数々のアーティストがコンサートを開催し、併設のレストランが開いたビアガーデンも人気だったそうだ。

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