ナショナルデパートは、日本初のバター専門ブランドとして、数々のバターのポテンシャルを引き出す新商品を開発している。
そんなナショナルデパートだが、新しいバターの楽しみ方を提案する「CANOBLE(カノーブル)」というブランドを立ち上げた。それは、バターが3次元に設計されていて、VR(仮想現実)や、ASMR(自律感覚絶頂反応)をリンクさせることで、新しい食の体験を提供してくれるものだ。
では、このCANOBLEとは具体的にどのようなものだろうか、今回はそんな話題について触れたいと思う。
“食べるバターの口溶けデバイス”とは?
今回、新しいバターの楽しみ方を提案するとしてナショナルデパートが立ち上げたCANOBLEとはどのようなものだろうか。
彼らは、バターの形状で口溶けをコントロールするためにバターを3次元的に設計。舌の上に置くだけで自然と溶けて味が変化していくバターを開発している。これは、上顎と舌に触れる部分の形状や素材に変化を持たせて口溶け速度を変え、口内で溶けたバターの香りが鼻に抜けていく感覚も考慮しながら設計しているという。
では、具体的にどのようなものかというと下図の画像を見ていただきたい。
すべてを紹介することはできないので1つ例を紹介したい。これはタイプ03と呼ばれるもの。上顎に当たる上面にトゲトゲを配置して口溶けを早くして鼻に抜ける香りにスピードをもたせ、舌に触れる底面は緩やかなカーブで舌にフィットさせてゆっくりと溶けていく。
中央には水溶性のフレーバージュレを挟んでいるので、フィニッシュ時に切れの良い口溶けを演出可能な時間経過を楽しむためのデバイスだという。
そして、このバターは、VRコンテンツと一緒に楽しむのだ。バターの形状やフレーバーに対応した映像を視聴しながら口内でバターを溶かしていく。
そうすることで、バターが口の中の粘膜などの感覚器官に触れたときの刺激と映像や音声が一致したときの心地よさや、口内にある食物とは異なる香りを感じたときに脳がバグる混乱など、従来の「食事」とはまったく異なる食体験を提供するというのだ。
他にも、寿司型の”食べるバターの口溶けデバイス”「THE SUSHI DEVICE」がある。これはどのようなものかというと、バター、チョコレート、クリームなどを組み合せて、一口サイズのデバイスの中に異なる温度帯の口溶けを組み込んだもの。
寿司のネタ、わさび、シャリの構造を元にしたデザインを取り込んでいる。
また、日本酒を発酵バターに練り込むことで、香り・旨味などの日本酒の瞬間的な味わい要素が、バターの口溶け時間に合わせてゆっくりと口内に広がり、今まで感じることのなかった新しい日本酒体験を実現したものもある。
いかがだっただろうか。
食とエンタテインメントが融合した緻密でとても美しいすごいテクノロジーだ。他にも彼らは将来的にはASMR(自律感覚絶頂反応)を組み込むことを計画しているという。
それは、口の中でバターが溶けていく感覚を体験することが可能になるというのだ。バターが溶けて体内へと吸収されていくイメージを音と映像と香りと口内粘膜の感覚で楽しむという新しい食の体験。とても楽しみだ!