音声入力とSiriがもたらす生産性向上
iPhoneにはキーボードを使わずに情報を入力できる「音声入力」、さまざまな操作を音声で指示できるAIアシスタント「Siri」が搭載されている。これらを活用すれば、文字入力の手間を削減し、業務のスピードを上げられる。特に、移動中や作業の合間に素早くメモを取る場合、手を使わずに操作できることは大きな利点だ。
キーボード入力やフリック入力が高速である場合、音声入力の方が不便に感じることがある。思いどおりに入力されなかったり、思いどおりに操作されなかったりすることがあるからだ。また、音声入力は公共の場や電車の中では使いにくいため、意識して使わないと習慣にならないことがある。
しかしながら、音声入力はメモ忘れを回避するための大切な機能だ。音声入力をうまく使うと、ふと思いついたことも入力の手間を省いて記録できる。何度か練習して操作方法を習得したいものだ。
そこで今回は、音声入力とSiriを業務に活かす方法を具体的に解説し、業務効率化を実現するための活用術を紹介する。
音声入力の基本と実践的な活用法
まずは、音声入力の基本を把握しておこう。正しく意図したデータを入力するための基本的なスキルも身につけておきたい。
iPhoneの音声入力機能の基本
iPhoneの音声入力機能は、キーボードのマイクアイコンをタップすることで簡単に利用できる。iOSの標準機能として提供されており、次の特徴がある。
- リアルタイム変換(話した内容を即座にテキスト化)
- 句読点の自動挿入
- オフライン対応(一部機能はオフラインでも利用可能)
音声入力の活用シーン
音声入力は、タイピングの手間を減らし効率的に作業を進めるために活用できる。以下のようなシーンで特に役立つ。
- メモやメールの作成 - メモアプリやメールアプリでの入力作業を、タイピングなしで済ませることが可能
- 議事録の下書き作成 - 会議中のメモやアイデア出しの際に、手を止めずに記録できる
- タスク管理やリマインダーの入力 - リマインダーアプリと組み合わせて、音声でタスクを登録
- 翻訳アプリとの連携 - 音声で入力した内容を即座に翻訳し、外国語でのコミュニケーションをスムーズに
音声入力をより快適に使うコツ
もちろんこの機能は万能ではない。音声入力をちゃんと機能させるには、「しゃべりのスキル」が必要になる。主なポイントは次のとおり。
正確な変換のために次の点を意識する
- はっきりと発音する
- 長い文章は短く区切る
- 句読点や改行も音声で指示する(例:「読点」「改行」)
専門用語の登録
- iPhoneのユーザー辞書に頻繁に使う単語を登録し、音声認識精度を向上させる
ノイズ対策
- 静かな環境で使用する
- AirPodsなどのマイク付きイヤホンを活用する
Siriを活用した業務の自動化
音声入力はキーボード入力やフリック入力と同じように「トレーニング」した方がよい。まずは音声操作や入力を繰り返し、どのように発音すれば正確に認識されるかを把握しよう。以下、Siriの使い方の例も含めてサンプルを挙げるので、音声操作を試してみていただきたい。
Siriの基本操作
Siriは音声コマンドでiPhoneの各種機能を操作できるデジタルアシスタントだ。起動方法は次のとおり。
- 「Hey Siri」と呼びかける(設定で有効化が必要)
- サイドボタンまたはホームボタンを長押しする
「Hey Siri」は発音してから反応するまでに若干のタイムラグがあり、本当に起動してくるのか疑問に思う時間がある。音量が小さければ反応しない。また、「ヘイシリ (Hey Siri)」という発音は、日本語だと「い」の音が3回連続で続く(I shI rI)ためか、発音しにくいようにも感じる。この最初の発音があまり気持ちよくないので、Siriがあmり使われていないようにも思える。
Siriの起動は音声ではなく「サイドボタンまたはホームボタンを長押し」というように物理ボタンを使う方をデフォルトにしてしまうというのも悪くない。こちらの方法は音声よりも確実にSiriの起動が期待できるし、不安なく操作を回避することができる。
Siriで業務を効率化する方法
次に、Siriを起動してからの操作のサンプルを紹介する。実際に入力してリアクションを見てみよう。どのように動くか体感していただきたい。
- スケジュール管理 - 「明日の10時に会議の予定を追加して」と指示すれば、カレンダーに予定を登録可能
- スケジュール管理 - 「次の会議は何時?」と尋ねれば、直近の予定を確認できる
- リマインダーの登録 - 「15時に〇〇の資料を確認するようリマインドして」と指示すれば、タスク管理が簡単にできる
- メールやメッセージの送信 - 「〇〇さんにメールを送って」と言えば、ハンズフリーで送信可能
- 電話の発信 - 「〇〇に電話して」と指示すれば、ダイヤル不要で通話を開始できる
- 情報検索 -「現在の東京の天気は?」
- 情報検索 -「今日のニュースを教えて」
- 情報検索 -「〇〇駅までの行き方を教えて」
- アプリの起動 -「メモを開いて」
- アプリの起動 -「マップを開いて」
どのような指示が可能かは、必要な操作を指示して試すのが最も効率的だ。最近の生成AIほどの性能は期待できないので、できるだけシンプルでわかりやすい言葉を使うと確実だ。