大阪・関西万博が絶賛開催中でございます。なんだかんだと客と仕事とで数度行く機会がありました。で、話題のイタリア館とアメリカ館にしぼって行ってきましたのでレポートします。
両方ともおもしろいのですが、イタリア館はめったにない機会なのでおすすめです。他にもいくつか、どこでもサイエンス流にご紹介いたしますねー。
あ、万博まだの方、とりあえず行くだけでもよいですよー。おすすめは、平日の午後から夜までです。会期は2025年10月13日までです。
4月13日から、大阪湾の人工島の夢洲(ゆめしま)ではじまった大阪・関西万博。「世界の文化祭」として、大阪圏を中心に人気になっております。サイエンス的にも結構みどころが多い、宇宙ネタもなにげに多いってな話を前回いたしました。
SDGsがテーマなところがありますけど、宇宙はやはり「我が国はやっとるぞ」と言いやすいのでしょうね。で、それからなんだかんだと数回行く機会があり、かなりいろいろまわれたので、今回イタリア館とアメリカ館などのレポートなのですがその感想は変わりません。ブルガリア館がヨーグルトからスタートして宇宙開発もやってますよと言っていたのは「おおっ」と思いましたが、ともかく宇宙出してくるなあという感じです。
まだの方は見に行く価値はございます。注意点としては、ひたすら暑いので、日傘や冷却剤は必須。自販機は通常価格で売っているのでともかく水の補給。逆に寒く感じることもあるので薄い羽織り物があるとよいですな。UVカットだと一石二鳥。あと、スマホが重要なのでバッテリーをしっかり持って行くのが大切でございます。
日本館 - サイエンス・テクノロジーの館
完全にSDGsな日本館も最後の方に、月探査機「SLIM」とか小惑星探査機「はやぶさ2」によるリュウグウの石とか、あ、火星の石(隕石)もありましたな。宇宙を(若干強引に)ちりばめた感があり、嬉しい限りです。もちろんサイエンスに広げれば、「かもす」発酵の話や、生分解性プラスチックやら、藻類の活用、日本の技術の知恵など全館ほぼサイエンスとテクノロジーだけなのが日本館です。1970年の日本の文化をもっぱら紹介していたのとは違いますな。
日本館は、基本予約制ですが、朝一番でいけばそのまま入場できます。また当日予約も日中になんどか再募集がかかります。そのタイミングで予約を入れると結構とれたりします。
とりあえずイタリア・バチカン館
今回の万博で一番の人気は、イタリア館・バチカン館です。この二つは同じ建物にあり、連続で展示を見ることになります。人気の理由はなにしろ「国宝クラスを惜しげもなく展示」「しかも、次々に追加の展示が来る」でございます。
基本文化財なのですが、サイエンスとしては「レオナルド・ダ・ビンチ」の機械スケッチなどがあり、トカマク融合炉の模型とかイタリアの技術紹介などもございます。飛行機の巨大モデルも。入ってしまえば、時間無制限でずっといることも可能です。個人的には入館しなければ入れない屋上の庭園でまったりするのもおすすめ。
入館は、予約ありとなしがあります。予約は万博の入場券を兼ねたアプリでとるのですが、これがなかなか取れませんが、朝一番で入り、会場内でしかとれない当日予約をささっととるとワンチャンあるかもです。また、事前ではイタリア館独自アプリもあり、私はこちらでまいりましたが、こちらも現在予約が取れない状態です。
予約なしだと、ひたすらならびます。世界最大の木造建築「大屋根リング」の下で待てるのですが、平気で3時間、4時間待ちになります。短縮には朝一番の西ゲート(バス利用者用ゲート)がおすすめです。1時間で入れたというレポートも見られます。
なお、並ぶのは大阪圏の「通期パス」を持っている人たちには既知の事実であり、みなさん長時間並ぶのを前提に、折りたたみ椅子(最近は、丸い伸縮式の「望遠鏡椅子」が人気)を持って来場し、のんびり本を読みながら待っている人も散見されます。が、まあ半日はつぶれますな。
それでも、入れば、大美術館の特別展だとギュウギュウ詰めで3000円とかいう感じのものが見られる(しかも、目玉のファルネーゼのアトラスという天球儀を担いだ彫刻などは本邦初公開)。しかも、本当に間近で見られるのは、すばらしい体験であります。
アメリカ館
アメリカ館は、宇宙がテーマです。キャラのスパークは、星の形。月の有人探査計画「アルテミス」の打ち上げシーンがメインコンテンツでございます。月の石もありますがオマケ扱いですな。
ツアー形式で、どんどん連れて行かれますが、ツアーのペースだと展示が見きれないことがあるので、映像よりも展示が私はおすすめでございます。
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左はアルテミスロケットの打ち上げ。ツアースタッフの方が盛り上げます。実にアメリカンな感じ! 迫力満点で確かに並ぶ価値はあるわーと思いますな。宇宙探査機やロケットの模型も結構気合い入っているのですが、ツアーだとどんどん飛ばされます。がんばって見ないと見損ないます
なお、最後に「月の石」の展示がありますが、ホンモノには間違いないのですが、いかにも付け足しという感じでささやかなものです。過度な期待はしない方がよいですな。
アメリカ館の入場は「ひたすら並ぶ」だけでまあ2時間待ちなのですが、英語に自信がある方は1時間おきの英語ツアーに参加すると(行列の末尾が違うので、スタッフに聞くこと)行列は短くなります。ただ「本当に英語分かりますよね?」と英語でスタッフに念押しされることは念頭にされてください。
中国館
中国館は、中国5000年の歴史の紹介がメインです。文明という言葉の通り、文字の大切さを強く訴える内容となっています。
最後の最後に、宇宙の話があり、中国が探査機で持ち帰った「月の裏側の物質(砂)」の展示が「月の表側の物質」とセットで展示されています。月の模型があるので見落とさないと思いますが、これは中国以外では初公開なので、見落とすなという感じです。アメリカやソ連の月物質と違って、次はいつ見られるかわかりません。
なお、大阪・関西万博では「行列に並ばせてもらえない」「ただいま入場規制中」というのが結構あります。これは通路(特に点字マーク)をふさがないというルールがあるためです。行列がすすんで、並ぶ場所ができると規制が随時解かれて並べますので、ちょっと離れたところで様子をうかがう感じになります。ダメというところに並ぶと、警備員などに解散を命じられます(彼ら、彼女らも仕事です。従いましょう)。
ということで、万博、ともかくせっかくのチャンス。日本では次いつかわからないので、行くのが吉です。