1月31日(水)、珍しい皆既月食が見られます。しかも、ここ数十年でベスト! 天体観察の中でもヒジョーにカンタン! 道具なし、準備なし、夜の9時前~0時すぎに、空を見上げるだけ、です。特に10時台は、神秘的な「深い赤色の満月」見えますよ。満足度もかなーり高い! 現象でございます。さ、31日水曜日夜10時、ちょっと空を見上げてみましょ。

ということで、皆既月食です。満月が、一時間ほどでみるみる欠けていくのでございますよ。完全に欠けきるのを「皆既(かいき)」というのですが、この時は真っ黒けにならずに、ほんのーり、赤っぽく見えるのでございます。

これ、道具なしで楽しめるうえに、今回は、夜10時前後という観察しやすい時間に起こります。ということで、月食のおこる原理などは、昨年のどこでもサイエンスをご覧いただくとして、ともかく、見てです。今回は、ともかく観察のコツだけおさえますよ。

皆既月食観察のコツ1 - これだけ

TPOだけおさえとけー! でございます

  • 時間:1月31日水曜日・夜10時台
  • 場所:外ならどこでも大丈夫(日本付近なら)
  • 用意:見るだけ、観察時間は10秒でOK

これだけですか? これだけです。簡単でしょー!

あとは、晴れてさえいれば、皆既月食が見られます。赤っぽーい月が空にボーっと見えるのは神秘的でございますよ。あとは、1人で見てもいいんですが「おさそいあわせのうえ」見ると、なおよいですな。

写真でみる皆既月食の見え方

NASAとTWANが世界から集めた皆既月食の写真のリンクを紹介しときますね。星はともかく、月は本当にこんな感じに見えます。本当に裏切らない天文ショーなんです。皆既月食は。

皆既月食を見るコツ2 - 撮影する?

さて、絶景なり町の夜景と組み合わせると、いい写真がとれそうですが、月の写真はスマホだと、細かなコントロールができない(スマホが頭よすぎておせっかいする)ので、難しいのでございます。ダメ元で映す場合は、都会なら高層ビルと一緒に映しこむとうまくいく確率があがります。

一眼レフカメラや高級なコンパクトデジカメで、「マニュアル(M)」で露出・しぼりなどのコントロールの仕方がわかる人であれば、皆既月食の10時台なら、F8、ISO3200、露出8分の1秒 あたりを基本に、プラスマイナスと設定を変えながらアタリを探してみてください。いや、自然現象なので最適が変わるのでございますよ。

皆既月食の前、月が明るく見えているときだとF8、ISO400、露出1000分の1秒くらいです。これは、実はGoPROなどのアクションカメラの設定と近いので、アクションカメラでテキトーに撮影しても満月は写ります。タイムラプスにするとおもしろいですよー。

え? こんな説明だとちょっとすぎる? 詳しい説明があちこちにありますので、凝りたいという方は、キヤノンさんとか富士フイルムさんのWebサイトとかをどうぞー!

皆既月食を見るコツ3 - 素人なりにもうちょいじっくり

さて、せっかくだから、もうちょっとじっくり楽しもうという方は、「月食の最初から最後まで」、まあ、せめて「欠けて行って皆既月食になるまで」を見続けましょう。

準備

防寒対策! 外でつったっていても寒くないように。

  • ダウンコート、足もできれば風を通さないズボン
  • つま先にカイロ、靴下あつめ、あったかい靴
  • マフラーに手袋、そして、頭は帽子とかフードとかともかくあったかくして。

月食は9時前から0時すぎまで、ハーフサイズの、欠け始め~皆既月食でも9時前から10時すぎまでの長丁場です。まあ、寒いのでしっかりと対策を。あと、トイレもいっといたほうがいいですな。

時間

ポイントになる時間を紹介します。

午後5時ごろ

月の出です。写真などだと月の出からチェックしたいところですな。夏至のころの太陽みたいなものですな。これは地域によってちがいますが、たとえば…

札幌:4時26分 仙台:4時40分 東京:4時50分 新潟:4時48分 大阪:5時10分 福岡:5時33分 鹿児島:5時36分 那覇:5時58分

他の地域については、国立天文台の計算サイトで簡単に調べられますよー!

午後7時50分

「半影食(はんえいしょく)」のはじまりです(最初は、ほぼ月食とはわからないですが)。月食は太陽光線が地球に遮られておこります。月面で太陽の光が「まったく」届かないエリアがだんだん増えていくのですが「ちょっとだけ遮られ始める」のが半影食です。最初はまずわかりませんが、これが進んでいくと「あれ、月の端っこのほう、欠けてるとはいわないまでもなんか暗くない?」となります。

午後8時30~40分

月食かなと思い始める。

上の「半影食」の影響で「あ、月が欠けている」と感じられます。何分前から感じられるかは、多少個人差があるようです。

午後8時48分

月食(本影食:ほんえいしょく)のはじまり。

だれでも「月が欠けてるぞ」とはっきりわかる状態になります。

午後9時台は どんどん欠けていく様子が見られます。5分ごととかに見るとおもしろい。

午後9時51分

皆既月食のはじまり。

月が、完全に欠け、全体が赤っぽく見えます。これが1時間ほど続きますよ。

午後10時29分

皆既食の最大。

いや、前後10分と比べても、あんまり違いはわからないと思いますけど。

午後11時8分

皆既月食の終わり。

ここからは、だんだん月が満月にもどっていきます。

午前0時11分

月食(本影食のおわり)。

とりあえず、ここまでみたら満足ですが、もう数分はねばりましょう。半影食はつづいています。

午前1時10分

半影食もおわり。

はい、完全終了です。その前に、素人がみても「え?  まだ月食なの?」状態になっています。

道具など

肉眼でいいのですが、双眼鏡(倍率5~10倍くらい)を使うと、月の色や欠け方など迫力をもって見られますね。

また、写真もいいと思います。さっき書いたように「ダメ元」で見てみてはどうでしょう。

観察のコツ4 - その日、日本にいないんですけどー

今回の皆既月食は、北太平洋を中心とした世界の半分の地域で見られます。見られる時間については、同じですが、「時差」と「日付変更線」に気を付けてください。日本で夜8時といったら、ハワイだと夜1時ですからね。日付変更線があるので31日でも、30日~31日の夜ですよ。ハワイは。

ほか、極東ロシア、中国、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランド、アラスカ~アメリカ西海岸などは条件よく観察できます。その周辺の中東~日本~北中米でも条件はちょっと悪いですが観察できますよ。

各地の予報は、国立天文台のWebサイトをごらんください。

また、エリアマップはNASAのこちらを見るとわかりやすいかと。白いところほどよく見えます。

観察のコツ5 - 報告しよう(事前にチェック用紙のダウンロード必要、締切2月2日正午)

国立天文台が、皆既月食見たら、その赤さを教えてっていうキャンペーンをやっています

抽選で「オリジナルてぬぐい(非売品)」ももらえるみたい。あ、ちょっといいかも。

事前に何をみたらいいのかとか、用紙を用意すべしとか、時計が必要とか、準備がいるので、チェックしてくださいませ。あと、報告は2月2日(金)の正午までだそうなので、これも気を付けないとですな。っていうか、いきなり参加しようとすると詰みやすい仕様なので、これは学校とかで計画的にとりくむのにおすすめでございますな。

みそこなったー! 次の皆既月食は

2018年の7月28日です。え? なんだー。でも、夜明け前なんですよ。観察のしやすさなら今回が圧倒的。同じくらいかんたんなのは…2022年11月8日、次が2032年4月25日ですね。んー、やっぱりレア。今回を見逃さないのが吉でございます。あ、これNASAのWebサイトで調べられますよ。英語ですが。

では、晴れることを祈って。あとインフルエンザとかにかからないよう、体調もととのえておいてくださいませ。ではグッドラック。

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。