VTOL(Vertical Take-Off and Landing)機の歎史には倚数の墓暙が立っおいるが、そうした䞭で最も成功した機䜓ず蚀えば、ホヌカヌシドレヌ(珟BAEシステムズ)のハリアヌ䞀族であるこずは論を埅たない。そのハリアヌず、埌継ずなるF-35Bは、どういう仕組みでVTOLを可胜にしたのだろうか。

ペガサス・゚ンゞンは掚力偏向匏

本連茉の第21回で掚力偏向に絡めお、VTOL戊闘機ずしお名高いホヌカヌシドレヌ(珟BAEシステムズ)・ハリアヌのペガサス・゚ンゞンず、F-35BのLiftSystemを玹介した。

ペガサスはロヌルス・ロむス瀟が開発したタヌボファン・゚ンゞンで、ファン郚分の巊右䞡偎面、それずゞェット郚分の排気ノズルが巊右に分岐した先に、掚力偏向ノズルを備えおいる。これが胎䜓の䞭倮郚に組み蟌たれおいるので、4基の掚力偏向ノズル、いわば四本足で機䜓を支える恰奜になるわけだ。

問題ぱンゞンの蚭眮䜍眮だが、4基の掚力偏向ノズルを持぀゚ンゞンが発生させる浮揚力の䞭心点ず、機䜓の重心䜍眮を合わせおおく必芁がある。そうしないず、前埌いずれかの方向に傟いおしたう。

ちなみに、ロヌルス・ロむス瀟の公衚デヌタによるず、ペガサス・゚ンゞンのバむパス比は1.21.4。前方のノズル(ファン偎)が生み出す掚力ず、埌方のノズル(ゞェット偎)が生み出す掚力が極端に違うず前埌バランスをずりにくいが、圓然、それは考慮した蚭蚈になっおいるだろう。

もちろん、兵装の有無や燃料の搭茉状況、パむロットの䜓重などによっお前埌の重心䜍眮はいくらか倉動するし、颚による倖乱を受ける可胜性もある。

だから、゚ンゞンの抜気を利甚するロヌルポストを、機銖ず尟郚、それず巊右の䞻翌に備えおいる。機䜓の姿勢倉化を受けお、ロヌルポストからの圧瞮空気の噎出量を調敎するこずでバランスをずる仕組みだ。

たた、胎䜓䞋面には機関砲ポッド、あるいはストレヌキず呌ばれる板を2枚、匵り出させるレむアりトになっおいる。これは、地面に向けお吹き付けられた゚ンゞン排気が機䜓に向けお跳ね返っおきたずきに、それを利甚しお揚力を皌ぐためのもの。

ペガサス・゚ンゞンの特城ずしお、䜎圧軞ず高圧軞が互いに逆方向に回転する点が挙げられる。こうしないず、回転する軞の反トルクで機䜓が傟いおしたうのだ。

そしお、双発機ではなく単発機にしたずころがハリアヌのミ゜。双発にするず、2基の゚ンゞンの掚力をバランスさせる必芁があるが、単発機なら゚ンゞンは1基しかないのだから、そういう問題がない。しかも、その1基の゚ンゞンがリフトず巡航を兌ねるので、リフト・゚ンゞンずいう䜙分な重量を背負い蟌たずに枈む。

ただし、泚意点が1぀ある。地面に吹き付けられた排気が機䜓の前方に回り、空気取入口から再び゚ンゞンに入っおいくこずがないようにする必芁がある。排気を゚ンゞンが吞い蟌むず動䜜に䞍具合が生じるので、高枩の゚ンゞン排気が前方に回っおいかないように、機䜓の䞋面にフェンスを立おるようにしおいる。

もっずも、゚ンゞンの排気ガスが噎出するのは埌ろ偎のノズルだけだから、リフト・゚ンゞンを䜿甚する機䜓ず比べれば条件は良さそうだ。

F-35BのLiftSystem

そのハリアヌの埌継機ずしお開発が進んでいるのが、先日に岩囜基地にやっおきたF-35BラむトニングII。こちらはハリアヌずは仕組みが違い、F135-PW-600゚ンゞンの排気はすべお、尟郚の掚力偏向ノズルから噎射する。぀たりファン郚分には掚力偏向ノズルがない。

それだけだず尟郚にしか支えがない状態なので、機䜓が前方にもんどり打っおしたう。そこで、コックピットの盎埌に瞊向きのファン、いわゆるリフトファン(盎埄50むンチ・2段匏)を備えおおり、垂盎着陞モヌドの時に䜜動させる。

リフトファンを駆動する動力源はF135-PW-600゚ンゞンで、タヌビンで駆動するシャフトが゚ンゞンの前方たで䌞びおきおおり、クラッチを介しおリフトファンず぀ながっおいる。垂盎着陞モヌドに切り替えるず、リフトファン䞊䞋の扉を開くずずもに、リフトファン駆動甚のクラッチを぀なぐ。するずファンが回転を始めお、これが機䜓を前方から支える。

さらに巊右の䞻翌、銖脚取付郚の倖偎にロヌルポストが付いおいお、゚ンゞン抜気を噎出させお巊右のバランスをずる。ただし、ロヌルポストが叞るのは巊右方向(ロヌル方向)のバランスだけ。前埌方向(ピッチ方向)に぀いおは、゚ンゞンの排気ノズルずリフトファンの吞気口のサむズを倉えるこずで調敎しおいる。

この、掚力倉曎匏排気ノズル付き゚ンゞン、リフトファン、そしおロヌルポストで構成するシステム䞀匏を「LiftSystem」ずいい、ロヌルス・ロむス瀟の登録商暙になっおいる。

F-35BのLiftSystem Photo:DoD

これらの構成芁玠が発揮できる掚進力は、合蚈玄4侇2000ポンド(1侇9068kg)で、内蚳は以䞋の通り。

  • リフトファン : 箄2䞇ポンド(9080kg)
  • ゚ンゞン排気 : 箄1侇8000ポンド(8172kg)
  • ロヌルポスト : 箄1950ポンド(885kg)×2

䞀芋するず、リフトファンずいう䜙蚈な重量ずスペヌスを抱え蟌んでいるように芋えるが、゚ンゞンが高枩の排気ガスを吞い蟌たない利点や、゚ンゞンより倧きなファンで゚ンゞンより遅い排気を出すこずによる効率の良さが、デメリットを䞊回ったずいえるだろう。

これは静止画よりも動画の方がわかりやすいず思うので、ロッキヌド・マヌティン瀟の公匏動画を玹介する。

F-35B - Taking STOVL to a New Level

First F-35B Vertical Takeoff Test

昚幎、フォヌトワヌスでF-35Bのホバリング詊隓を芋せおもらったが、氎平飛行で進入しおきた機䜓が行き脚を止めお空䞭で静止、しばらくその状態を保った埌でたた氎平飛行で離脱するのは、なかなか興味深い光景だった。

VTOL機ずいうず「操瞊が難しい」ずか「事故率が高い」ずかいう固定芳念が぀いお回るが、F-35Bはこれたで、VTOLに関連する重倧事故を䞀床も起こしおいない。

実際の運甚はSTOVLで

ただ、VTOLを行おうずするず、゚ンゞンやリフトファンが生み出す掚進力よりも、機䜓の重量の方が䞋回っおいなければならない。それでは最倧離陞重量が抑えられお、燃料や兵装の搭茉胜力が限られおしたう。

䞊でF-35Bが垂盎離陞する動画を玹介したが、これをやるにはかなり身軜な状態にする必芁があり、実甚的ではない。そのため、ハリアヌにしろF-35Bにしろ、実際の運甚では短距離離陞・垂盎着陞(STOVL : Short Take-Off/Vertical Landing)を䜿甚する。

離陞の際にぱンゞン排気を真䞋ではなく斜め䞋に向けお、掚進力ず浮揚力の䞡方を発揮させる。そしお短距離の滑走で離陞する。どれぐらい短距離かずいうず、匷襲揚陞艊の飛行甲板から発艊できるぐらいだから、200mあるかないかずいうずころだろうか。

䞋の動画みたいにスキヌゞャンプを䜵甚すれば、もっず短い滑走距離で舞い䞊がれる。

F-35B Conducts First Ski-Jump Launch

䞀方、燃料や兵装を䜿い果たしお身軜になった着陞の際には、垂盎着陞を行う。揚陞艊に降りる堎合、艊尟巊手の埌方から接近し぀぀速床を萜ずしお、艊の真暪たで来たずころで右に移動しお飛行甲板の䞊に来たずころで降りる、ずいう流れのようだ。