連載第34回第35回で「セクション区切り」について紹介したついでに、2段組みの文書を作成するときに関連するテクニックを紹介していこう。文書の途中で「段数」を変化させる場合にも「セクション区切り」が有効活用できる。

  • 「セクション区切り」を使って段数が混在する文書を作成

    「セクション区切り」を使って段数が混在する文書を作成

文書を2段組みにするには?

論文やレポートなどを作成するときに、文書を「2段組み」にするケースもあるだろう。もちろん、Wordは複数段の文書作成にも対応している。文書を「2段組み」にするときは「レイアウト」タブにある「段組み」をクリックし、「2段」を選択すればよい。

  • 「2段組み」の指定

    「2段組み」の指定

これで文書を「2段組み」に変更できる。ただし、文書全体が「2段組み」に設定されるため、タイトル部分の幅も半分になってしまう。

このようなレイアウトではなく、タイトル部分は「1段組み」のままで、本文だけを「2段組み」にしたい、というケースも多いだろう。このように文書の途中で段数を変化させるときにも「セクション区切り」が活用できる。

  • 「2段組み」に変更された文書

    「2段組み」に変更された文書

セクション区切りの挿入

具体的な操作手順を紹介していこう。まずは、段数を変化させる位置に「セクション区切り」を挿入する。適当な位置へカーソルを移動し、「レイアウト」タブにある「区切り」→「現在の位置から開始」を選択する。

  • カーソルの移動

    カーソルの移動

  • 「セクション区切り」を挿入する操作

    「セクション区切り」を挿入する操作

カーソルがあった位置に「セクション区切り」が挿入される。「現在の位置から開始」を選択した場合、改ページは行われず、ページ内を上下に分割するように「セクション区切り」が挿入される。

  • 挿入された「セクション区切り」

    挿入された「セクション区切り」

段数の変更と微調整

これで準備は完了。続いては、各セクションの「段数」を指定する方法を紹介していこう。段数を変更するセクション内にカーソルを移動し、「段組み」コマンドから「段数」を選択する。

  • 「2段組み」の指定

    「2段組み」の指定

文書がセクションで区切られている場合は、現在のセクションについてのみ「段組み」の変更が行われる。これで「1段組み」と「2段組み」が混在した文書を作成できるようになる。

  • 「2段組み」に変更されたセクション

    「2段組み」に変更されたセクション

改行の数を調整して全体のバランスを整えると、以下の図のようになる。なお、見出し用のスタイルを作成して、見出しの前の間隔を「段落前」の書式で自動調整している場合は、セクションの先頭でも「段落前」の書式が適用されてしまう。これを解消するには、段落書式を手作業で変更してやる必要がある。

「最初の見出し」を選択して「段落」ダイアログを呼び出す。続いて、「段落前」の値を0行に変更してから「OK」ボタンをクリックする。

  • 「段落」ダイアログの呼び出し

    「段落」ダイアログの呼び出し

  • 「段落前」を0行に変更

    「段落前」を0行に変更

上記のように設定変更を行うと、本文の上端を揃えて配置できるようになる。些細なことだが、覚えておくと役に立つだろう。

  • 「段落前」を変更した見出しの配置

    「段落前」を変更した見出しの配置

範囲を指定して段数を変更した場合の挙動

先ほど示した手順のほかにも、「1段」と「2段」を混在させた文書を作成する方法がある。こちらについても、その手順を詳しく紹介しておこう。

まずは、文書全体を「2段組み」に変更する。「レイアウト」タブにある「段組み」をクリックし、「2段」を選択する。

  • 「2段組み」の指定

    「2段組み」の指定

文書全体が「2段組み」に変更されるので、「1段組み」に戻したい範囲をマウスでドラッグして選択する。

  • 「1段組み」に戻す範囲を選択

    「1段組み」に戻す範囲を選択

この状態で「段組み」→「1段」を選択すると、選択している範囲だけを「1段組み」に戻せる。

  • 「1段組み」の指定

    「1段組み」の指定

結果は以下の図のとおり。先ほどと同じようなレイアウトを実現できていることを確認できるだろう。なお、この場合は、Wordが自動的に「セクション区切り」を挿入してくれる。

  • 自動挿入された「セクション区切り」

    自動挿入された「セクション区切り」

つまり、自分で「セクション区切り」を挿入してから段数を変更するのか、それともWordに「セクション区切り」を自動挿入してもらうのか、の違いでしかない。

どちらの方法で操作を進めても同じ結果になるので、各自の好きな方法を採用するとよいだろう。文書の途中で段数を変化させるには、「セクション区切り」の挿入が必要、ということを覚えておけば十分だ。

2段組みの文書に必要な書式変更

補足事項として、2段組みの文書を作成するときに必要となる書式変更についても触れておこう。

Wordは文字サイズが10.5ptに初期設定されているが、この文字サイズは2段組みの文書には大きすぎる傾向がある。よって、本文の文字サイズを小さくしておくとよい。本文の文字サイズを小さくしたいときは、「標準」スタイルの書式を変更するのが最も手軽な方法となる。「標準」スタイルを右クリックし、「変更」を選択する。

  • 「標準」スタイルの書式変更(1)

    「標準」スタイルの書式変更(1)

スタイルの書式を指定する画面が表示されるので、文字サイズを小さな値に変更して「OK」ボタンをクリックする。今回の例では、文字サイズを9.5ptに変更した。

  • 「標準」スタイルの書式変更(2)

    「標準」スタイルの書式変更(2)

「標準」スタイルが適用されている段落の文字サイズが9.5ptに変更される。別の表現で言い換えると、何もスタイルを適用していなかった段落(本文)の文字サイズが9.5ptに変更されることになる。

  • 本文の文字サイズを9.5ptに変更した文書

    本文の文字サイズを9.5ptに変更した文書

2段組みの文書では、ページの上下左右にある「余白」も大きすぎる傾向がある。こちらも修正していこう。「ページ設定」ダイアログを呼び出し、余白のサイズを適当な値に変更してから「OK」ボタンをクリックする。

  • 「余白」を変更する操作

    「余白」を変更する操作

結果は以下の図のとおり。この場合、カーソルがあったセクションについてのみ「余白」のサイズが変更されるが、好ましい結果とはいえない。

  • 余白を変更した文書(失敗例)

    余白を変更した文書(失敗例)

前回の記事でも紹介したように、「ページ設定」ダイアログの設定対象は「このセクション」が初期値になっている。これを忘れて普通に操作すると、先ほど示した例のような失敗を犯してしまう。正しく設定するには、設定対象を「文書全体」に変更してから「余白」の数値を指定しなければならない。

  • 文書全体の「余白」を変更する操作

    文書全体の「余白」を変更する操作

上記のように操作すると、文書全体について「余白」のサイズを変更できる。忘れないように注意しておこう。

  • 余白を変更した文書(成功例)

    余白を変更した文書(成功例)

最後に「段組み」の詳細設定について補足しておこう。各段の幅や間隔を微調整したいときは、そのセクション内にカーソルを移動し、「段組み」→「段組みの詳細設定」を選択すればよい。

  • 「段組み」ダイアログの呼び出し

    「段組み」ダイアログの呼び出し

すると、以下の図のようなダイアログが表示され、「段の幅」や「間隔」などを自由に調整できるようになる。「境界線を引く」をオンにして、各段の間に区切り線を描画することも可能だ。

  • 「段組み」の詳細設定

    「段組み」の詳細設定

  • 境界線を描画した様子

    境界線を描画した様子

そのほか、1ページあたりの行数(行送り)、1行あたりの文字数(字送り)など、2段組みの文書では微調整が必要になる書式が沢山あるが、これらについては過去の記事で紹介した内容で対応できると思われる。

大切なのは、「ページ設定」の書式変更を「このセクション」だけに反映させるのか、それとも「文書全体」に反映させるのかを確認しながら作業すること。これを覚えておけば、不測のトラブル(Wordの理解不能な挙動)から解放されるだろう。