「データカード」のカスタマイズ
前回の連載では、「東京23区の世帯数」を人数別(1人世帯、2人世帯、3人以上の世帯)に集計したデータ表を使って「3Dマップ」を作成した。「3Dマップ」は「データカード」や「凡例」の書式変更をはじめ、地図の表示方法の変更など、さまざまなカスタマイズが可能だ。今回は、この「3Dマップ」をさらにカスタマイズする方法を紹介していこう。また、作成した「3Dマップ」をWordなどで活用する方法も紹介しておこう。
「3Dマップ」のグラフ上にマウスポインタを移動させると、そのデータの詳細を示す「データカード」が表示される。初期設定では、以下の図のようなデータカードが表示されるはずだ。ここに表示される内容をカスタマイズしたいときは、右上にある「歯車」のアイコンをクリックすればよい。
すると、データカードの設定画面が表示され、カードに表示する内容を変更できるようになる。あらかじめ用意されているレイアウトの中から選ぶときは、「テンプレート」の左右にある「三角形」のアイコンをクリックして、好きなテンプレートを選択すればよい。テンプレートは全部で6種類用意されている。
各系列のラベル表記を変更することも可能だ。この場合は「ペン」のアイコンをクリックして、各ラベルに表示する文字を入力する。そのほか、データカード内に表示するフィールドを追加したり、削除したりすることも可能となっている。
これらのカスタマイズを施すと、データカードをより見やすい形で示せるようになる。先に掲載した「初期設定のデータカード」と比べると、
・3つのデータを同時に表示できる
・ラベルに「世帯」の文字を追加できる
(内容を把握しやすくなる)
といった改善ができていることを確認できるだろう。
「凡例」のカスタマイズ
続いては、「凡例」の表示をカスタマイズする方法を紹介していこう。
凡例の最上部には「レイヤー1」というタイトルが表示されている。この文字は「レイヤー名」と連動しているため、「レイヤー名」を変更することで好きな文字に変更可能だ。「レイヤー名」の変更は「ペン」のアイコンをクリックすると実行できる。
また、凡例の見た目をカスタマイズすることも可能となっている。この場合は「凡例」をダブルクリックすればよい。すると以下の図のような設定画面が表示され、タイトルや分類の「文字の書式」、凡例の「背景色」を変更できるようになる。
たとえば、「文字サイズ」を小さくして「太字」を指定し、「背景色」をグレーに変更すると、以下の図に示したような凡例にカスタマイズできる。
ただし、「1人(合計)」や「2人(合計)」などの文字を変更することはできない。この部分はデータ表のラベル(見出し)と連動しているため、データ表そのものを修正する必要がある。
データの修正と更新
「3Dマップ」を作成した後に、基のデータ表を修正することも可能だ。この場合は、通常のExcelウィンドウに戻って、普通にデータを修正すればよい。今回の例では「各列の見出し」を以下のように修正した。
Excelの画面には「3D Mapツアー」というテキストボックスが表示されているが、これは「3Dマップがすでに作成されている」ということを示すものでしかない。よって、このテキストボックスは削除しても構わない。
再び「3Dマップ」のウィンドウに戻ると、データの修正が反映されていないことに気付くと思う。データ表で修正した内容を「3Dマップ」に反映させるには、「データの更新」をクリックする必要がある。
なお、今回の例のように「各列の見出し」を修正した場合は、分類名が変更されてしまうため、「グラフ化する列」を登録しなおす必要がある。グラフが削除されてしまった場合は、「高さ」の項目に列を再登録しておこう(詳しくは第42回の連載を参照)。
地図表示のカスタマイズ
「3Dマップ」の地図表示をカスタマイズする機能も用意されている。順番に紹介していこう。
「マップ ラベル」をクリックしてONにすると、地図上に「地名」が表示される。これで各地点の位置を把握しやすくなる。
「平面マップ」をクリックしてONにすると、球面で表示されていた地図を「平面の地図」に変更することができる。今回の例のように、一部の地域を拡大している場合は大きな変化はないが、日本全体、もしくは世界全体を表示する場合は「平面マップ」をONにしておくとよいだろう。
「テーマ」を変更して、地図やグラフの色を変化させる機能も用意されている。
ここで「エアリアル カラー」や「エアリアル ダーク」のテーマを選択すると、地図を衛星写真に置き換えた「3Dマップ」にカスタマイズできる。
そのほか、地図を夜間モードのように表示したり、単色(グレースケール)の地図に変更したりすることが可能となっている。
「地図上のグラフを見やすくする」という観点では、「カラー ホワイト」や「カラー グレー」のテーマを選択しておくのが無難だ。
そのほか、棒グラフの形状を変更できる「図形」コマンドも用意されている。この機能は、各自の好みに応じて利用するとよいだろう。
「3Dマップ」を実際に活用するには?
最後に、作成した「3Dマップ」をExcel以外のアプリで活用する方法を紹介しておこう。グラフのカスタマイズが済んだら、「ツアー エディター」と「レイヤー ウィンドウ」をOFFにして、画面の左右に配置されている領域を非表示にする。
ウィンドウ全体に「3Dマップ」が表示されるので、位置や表示倍率を整えてから「キャプチャ画面」をクリックする。
すると、現在の「3Dマップ」がクリップボードに「画像データ」としてコピーされる。あとはWordなどのアプリを開いて、「Ctrl」+「V」キーで「画像データ」を貼り付けるだけ。これで「3Dマップ」で作成した地図グラフを他の文書でも活用できるようになる。
そのほか、「3Dマップ」には地図グラフのビデオ(動画ファイル)を作成する機能も用意されている。ただし、これについて詳しく解説すると「Excelグラフ」連載の趣旨から逸脱しすぎてしまうので、気になる方は各自で研究して頂ければ幸いだ。
一般的なビジネスシーンや研究発表なとでは、「地図グラフの画像」を作成できれば大概の目的を達成できるケースが多いはず。そのためにも、今回と前回の連載で紹介した内容を頭の片隅にでも覚えおくとよい。