この環境技術関連ニュースのまとめ

・エリーパワーが容量10.7kWhの家庭用蓄電池ユニットを2027年1月初旬に発売
・電極構造の改良により外形寸法を変えずに電池容量を従来品比で約10%向上
・6.4kWhモデルとの組み合わせで最大17.1kWhまで4つの容量パターンを選択可能

エリーパワーは、V2H対応家庭用蓄電システム「POWER iE Connect(パワーイエ・コネクト)」向けに、容量10.7kWhの蓄電池ユニットを追加すると発表した。2027年1月初旬の発売を予定している。

新製品には、国内の自社工場で製造する「HYバッテリー Lシリーズ」の新型リチウムイオン電池を搭載。電極構造を改良することで、外形寸法を変えずに電池容量を従来品「PE63S08」比で約10%向上させたという。

  • POWER iE Connect

    POWER iE Connectの活用イメージ (出所:エリーパワー)

電気料金の上昇や太陽光発電の売電価格低下を背景に、住宅で発電した電力を売電するだけではなく、家庭内で消費するニーズが高まっているほか、自然災害などによる停電時のバックアップ電源として家庭用蓄電池の活用も広がっている。

同社は、家庭ごとに異なる電力使用量や家族構成に応じて蓄電容量を選びたいという需要へ対応するため、従来の6.4kWhモデルに10.7kWhモデルを追加することにしたと説明している。

  • 蓄電池ユニット

    蓄電池ユニットラインナップ概要 (出所:エリーパワー)

最大17.1kWhまで4つの容量パターンを用意

POWER iE Connectでは、6.4kWhと10.7kWhの蓄電池ユニットを組み合わせることで、4つの容量パターンから選択できるようになる。

10.7kWhモデルを単体で導入する構成に加え、電力使用量や停電時に確保したい電力量などに応じて蓄電池ユニットを組み合わせ、最大17.1kWhまで容量を拡張できる。

導入後に蓄電池ユニットを増設することも可能。電気自動車(EV)の購入など、ライフスタイルの変化に合わせてV2Hスタンドを追加することにも対応する。

住宅への導入時点ですべての機器をそろえる必要はなく、当初は家庭用蓄電システムとして使用し、その後の電力使用量やEVの導入状況に合わせてシステムを拡張できる構成としている。

外形寸法を維持しながら容量を約10%向上

新たに搭載するHYバッテリー Lシリーズは、電極構造の改良によって、従来品と同じ外形寸法を維持しながら電池容量を約10%向上させた。

設置に必要なスペースを増やすことなく蓄電容量を拡大できるため、通常時には太陽光発電による電力の自家消費量を増やし、停電時には住宅へ電力を供給できる時間を延ばせる。

また、-20℃の環境にも対応し、寒冷地でも屋外へ設置可能としている。標準仕様でも一部の塩害地域で使用できるほか、海岸から300m以内の地域に設置可能な耐重塩害仕様も用意し、設置地域や住宅環境に応じて選択できるようにする。

2万2000サイクル後も容量60%を維持

HYバッテリー Lシリーズは、同社の試験条件において、2万2000サイクルの充放電後も定格容量の60%を維持するという。

ただし、実際の電池寿命は使用状況や設置環境によって異なるため、2万2000サイクルという値は目安であり、サイクル数そのものを保証するものではない。

長期使用を前提とした性能を踏まえ、無償の長期容量保証として「20年60%」を標準で付帯する。保証を受けるには、無償の「ごあんしんサービス」への登録と、システムのインターネット接続が必要となる。条件を満たさない場合は有償対応となる。

また同社によると、2026年10月時点で、同社製大型リチウムイオン電池を搭載した蓄電システムにおいて、電池セルを原因とする発煙・発火事故ゼロを創業以来20年間継続しているという。

製品全体の安全性については、一般財団法人電気安全環境研究所(JET)による第三者認証制度「S-JET認証」の取得も予定している。

稼働状況を24時間365日遠隔監視

POWER iE Connectでは、製品の稼働状況を遠隔から24時間365日監視する「ごあんしんサービス」を提供する。

異常を検知した場合には、利用者への連絡や状況確認を行うほか、インターネットを経由したソフトウェアの自動更新にも対応する。

クラウドサービス「エリークラウド」では、スマートフォンやタブレットから動作モードを変更できるほか、太陽光発電の発電量や蓄電池の充電率を確認できる。

気象予報との連携にも対応し、台風や大雨による停電の可能性がある場合には、あらかじめ蓄電池を自動で充電し、メールで通知する機能を利用できる。気象予報連携機能の利用には「ELIIY CLOUD AI-SOLA」への申し込みが必要となる。

エリーパワーは2006年に定置用リチウムイオン電池の専業メーカーとして創業し、2026年に創業20周年を迎えた。2026年6月時点における蓄電システムの累計出荷台数は10万9000台以上としている。

同社は今回、長時間の電力供給に対応する10.7kWhモデルを追加し、容量選択や導入後の拡張性を高めることで、太陽光発電の自家消費、V2H、停電対策など、家庭ごとに異なる蓄電ニーズへの対応を強化していくとしている。