BroadcomのHock Tan氏とIntel(インテル)のLip-Bu Tan氏の両CEOは10月12日、シンガポールで開かれたDBS Asia Future Forward Conferenceに登壇し、AIブームを制約する最大の要因は資本になり得るとの見方を示した。

需要超過は2029~2030年まで続く可能性

BroadcomのHock Tan氏は、AIインフラの拡大の障害となるのは、半導体やメモリ、電力の不足よりも資金調達のほうが大きい可能性があると指摘。過去2年間、供給面のボトルネックは次々と現れたが、そのつど克服されてきたと説明した。

現在のメモリ不足も1年後には状況が変わっているかもしれないとし、ウエハ不足は2028~2029年ごろ、電力事情も新たなインフラの稼働に伴い改善するとの見通しを示した。

一方、コンピューティングインフラへの需要は供給を上回っており、この不均衡は2029年まで、場合によっては2030年まで続く可能性があるとの予想も示している。

インテルのLip-Bu Tan氏も資金面への懸念に同調した。目先の課題は資本と資本コストであり、長期的にはROI(Return on Investment;投資利益率)が問われるというのがTan氏の認識だ。今後2~3年は、AIアプリケーションの普及と計算需要の拡大により、大幅な減速は起きにくいとみている。

GPUやメモリ不足は時間とともに解消へ

背景として、借入コストの上昇があるという。債券利回りが上がれば、データセンターの建設やチップ購入の資金調達コストが膨らみ、回収まで数年を要するプロジェクトの採算を圧迫しかねない。

両氏は、成長を持続できるかどうかは、企業のAI導入がどれだけ進むか、AIが経済的な価値を生むかにかかっていると強調した。

Hock Tan氏は、先進的なAIモデルの採用が期待外れに終わったり、性能向上が頭打ちになったりすれば、需要が鈍化し得ると述べた。Lip-Bu Tan氏も、企業が効率化や新たなビジネスモデルを通じ、AI投資の具体的な成果を示す必要があるとした。CNBCが10月12日付で報じている。