国立科学博物館の館長に、恐竜学者であり古生物学者でもある真鍋真氏が就任。同館Webサイトに掲載された「館長あいさつ」の中で、2027年に開館150周年を迎えることを念頭においたメッセージを寄せている。

  • 国立科学博物館の館長に就任した真鍋真氏 (C)与古田松市 出所:国立科学博物館Webサイト

    国立科学博物館の館長に就任した真鍋真氏 (C)与古田松市 出所:国立科学博物館Webサイト

国立科学博物館の名誉研究員で、前副館長も務めた真鍋氏は、横浜国立大学教育学部、米イェール大学を経て、英ブリストル大学大学院にてPh.D.課程修了。博士(理学)。1995年度に同館地学研究部の研究官になって以来、約30年にわたり、恐竜など主に中生代の爬虫類や鳥類などの化石の研究に携わってきた。2020年からは、群馬県立自然史博物館の特別館長に就任。複数の書籍を岩波書店などから出版し、監修も手がけている。

真鍋氏は、国立科学博物館の館長あいさつのなかで、博物館という存在について「建物という『ハコ』に、標本資料という『モノ』が集められ、研究員や学芸員ら『ヒト』がそれを調査研究や、展示を行う組織と形容される」としたうえで、「私はそれに『ヒトビト』を加える。研究者だけでなく、博物館でさまざまな仕事をする人たち、そして来館者の皆さんのことだ。博物館がそうしたヒトビトの居場所になれば、皆の『ココロ』の中に小さな宇宙のようなものが育つ」と述べている。

発生から15年という月日が流れた、東日本大震災の被災地でのボランティア活動の経験にも触れ、「震災前から地域の博物館に集い、育てられてきた若者たちと出会えた。それは、それぞれの地域の博物館の『ヒトビト』が集う場所の力を再確認する経験になった」と振り返った。

国立科学博物館の開館150周年にあたり、真鍋氏は「私は『ヒトビト』に現代と近未来の地球と自分を考えるきっかけにしてもらえたらと思う。皆さんが近未来を想像するとき、その風景の端っこの方に科博(かはく)が存在してくれたら嬉しい」とし、「こんな時代だからこそ、『科学を文化に』が、これまで以上に重要な地球に私たちはすんでいる。博物館にはたまにしか来られなくても、科博をもっと身近な存在に感じてもらい、皆さんの『ココロ』の中に小さな宇宙と博物館を感じてもらえるように、私自身も『ヒトビト』のひとりとして活動していく」と意気込みを語った。