Microsoftは3月30日(現地時間)、Windows Insider Programの参加者向けに「Windows 11 Insider Preview Build 26300.8142」(Devチャネル向け)および「Windows 11 Insider Preview Build 26220.8138」(Betaチャネル向け)をリリースした。
これらはWindows 11 バージョン25H2に対するアップデートであり、タスクマネージャーの改善やタッチパッドの新しい設定項目などを含んでいる。アップデート内容の詳細は次のページにまとめられている。
- Announcing Windows 11 Insider Preview Build 26300.8142 (Dev Channel) | Windows Insider Blog
- Announcing Windows 11 Insider Preview Build 26220.8138 (Beta Channel) | Windows Insider Blog
なぜNPU対応?AI PC普及との関係
Build 26300.8142およびBuild 26220.8138における注目すべき変更としては、まずタスクマネージャーにAI向けPCの普及に合わせた改善が加えられたことが挙げられる。
Microsoftが今回、タスクマネージャーにNPU(Neural Processing Unit)の監視機能を追加した背景には、AI処理の重要性の高まりがある。
従来、PCにおける処理の中心はCPUやGPUが担ってきたが、近年は生成AIや画像認識、音声処理といったワークロードの増加により、これらを効率的に処理する専用プロセッサであるNPUの搭載が進んでいる。特に「Copilot+ PC」に代表される新しいカテゴリーでは、NPUがローカルAI処理の中核として位置付けられている。
こうした流れの中で、ユーザーや開発者にとっても、NPUの使用状況を可視化するニーズが高まっていた。従来のタスクマネージャーではCPUやGPUの負荷は確認できたが、NPUに関する情報は十分に提供されていなかった。
今回、NPUの使用率やメモリ消費を他のリソースと同様に把握できるようになったことで、AIアプリケーションがどの程度ハードウェアを活用しているかを直感的に確認できるようになる。これは、AI処理の最適化やトラブルシューティングの観点でも重要な改善といえる。
タスクマネージャーはどう変わった?NPU監視などAI PC向け機能を追加
NPU(Neural Processing Unit)を搭載したPCでは、タスクマネージャーの「プロセス」、「ユーザー」、「詳細」ページに、オプションでNPUおよびNPUエンジンの列を追加表示できるようになった。また、「詳細」ページにはNPU専用メモリとNPU共有メモリの列も追加され、ワークロードによるNPUリソースの使用状況をより詳細に確認できるようになっている。
さらに、「プロセス」と「詳細」ページに、新たに「Isolation」列をオプションで追加し、どのアプリがAppContainer内で実行されているかを確認できるようになった。
タッチパッドの右クリックはどう変わった?サイズ調整が可能に
タッチパッドの設定にも改善が加わった。押下可能なタッチパッドを持つデバイスでは、タッチパッドの右下が、指一本で右クリック扱いになる「右クリックゾーン」になっている。今回のアップデートでは、設定アプリの「Bluetooth とデバイス」→「タッチパッド」のページを表示すると、新たにこの右クリックゾーンのサイズを設定する項目が追加され、デフォルト、小、中、大の4段階から選択できるようになった。
管理者保護機能は何が変わった?ユーザー側で有効化が可能に
セキュリティ面では、これまで制御が限定的だった「管理者保護」機能が、個人ユーザーの設定画面から有効化できるようになった。この設定は、「設定」アプリの「プライバシーとセキュリティ」から「Windows セキュリティ」→「アカウントの保護」のページにある。有効化にはシステムの再起動を要するが、OSの根幹を保護する仕組みをユーザー自身で制御できる利点がある。
プリンタの安全性はどう確認する?新アイコンで一目表示
Build 26300.8142では、印刷の設定画面に「Windows 保護印刷モード」への対応状況を示す新しいアイコンが追加された。これにより、使用中のプリンタが一定のセキュリティ基準を満たしているかを一目で判断できる。
これらの変更は、準備ができたデバイスから順次配信を行う設定になっているため、アップデートしてもすぐには利用できない可能性がある。できるだけ早く変更を受け取りたい場合には、Windows Updateのページで「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」の項目を有効にしておくことをお勧めする。
