TSMCが3月10日、2026年2月の月間連結売上高(速報値)を発表した。

それによると売上高は前年同月比22.2%増の3176億6000万NTドルで、AI関連需要の高止まりを背景に2月としての過去最高を更新したが、2月は17日の旧正月(春節)を含め営業日が少なかったため前月比では20.8%減としている。

また、1月と2月の累積売上高は前年同時期比29.9%増の7189億1000万NTドルとなった。同社は1月の決算説明会にて、先端プロセスの需要拡大を背景に2026年第1四半期(1~3月)の売上高をドルベースで前年同期比38%増の346億~358億ドルとする予測を示していたが、台湾半導体業界関係者によると3月の売上高は前年同月比で大きく伸びる見込みとのことであり、同社が示した予測額は達成できるとみられている。

  • TSMCの2026年2月の売上高概要

    TSMCの2026年2月の売上高概要 (出所:TSMC)

2026年は台湾で8000人の新規雇用を計画

複数の台湾メディアが、国立台湾大学で開催された採用説明会(キャンパスリクルートメントエキスポ)にTSMCが参加した際に、2026年度に台湾で約8000人の新規採用を計画していることを明らかにしたと報じている。

このうち修士号を取得したエンジニアの平均年収は220万NTドル(約1100万円。月給+定期ボーナス+4半期ごとの利益配分特別ボーナスの合計額)と見込まれており、事実とすれば、日本でもTSMC熊本工場(JASM)の新卒者給与が日本企業の新卒者の給与水準より高いことが話題になったが、台湾ではそれよりもはるかに上回る金額が提示されていることになる。

新卒者または関連業務経験者を対象とし、採用対象分野としては電気工学、電子工学、光電子工学、物理学、材料科学、化学、化学工学、機械工学、コンピューターサイエンス、情報管理、産業工学、産業管理、環境工学、土木工学、人事、経営管理、会計などとするが、中でもAIやビッグデータの活用による次世代スマート工場の創出に向けた情報関連分野の人材採用を強化していることをアピールしているという。

TSMCは国立台湾大学のほか、国立台湾師範大学、国立台湾科技大学、国立台北理工大学、国立中央大学、国立交通大学、国立清華大学、国立中興大学、逢甲大学、国立雲林科技大学、国立曉徳科技大学、国立中正大学、国立成功大学、国立高雄科技大学、国立高雄師範大学、国立中山大学、国立屏東科技大学などの合計17のイベントで説明を行うとしているほか、中国語と英語によるオンライン採用説明会も5回開催するという。

加えて、学部3年生以上、特に修士および博士課程の学生を優先する形でのサマーインターンシッププログラムも実施中で、学生たちに実践的な機会とキャリアガイダンスを提供して、優秀な成績を収めた学生の正規採用も行っているという。

日本の高校生も対象範囲、大学の授業料免除かつ生活費支給で青田買い

台湾の人口は日本の1/5ほどで、域内の半導体産業の発展とともに慢性的な人材不足に陥っているため、海外でのリクルート活動にも力を入れている。台湾の複数の国立大学がTSMCと提携する形で授業料免除・生活費支給の日本人向け半導体人材育成コースを設けており、日本の高校生や高専生に対して入学勧誘を行っている。余程のことがない限りTSMCへの就職が入学時点でほぼ約束されるとあってか、九州地域を中心にすでに多数の日本人高校生・高専生が台湾に留学し始めているようである。

  • 台湾国立雲林科技大学

    台湾国立雲林科技大学(YunTech)の日本人学生募集資料の表紙(リンク先の「雲科大半導体コース申請入口」に提示)。高校生向けの2026年の出願期間は2026年1月2日~2026年4月20日とのことである(資料には2025年9月入学と書いてあるが、出願サイトには「学士課程への入学は秋(2026/09)となります」と記載されている) (出所:YunTech)