スペースワンは、小型衛星5基を載せたカイロスロケット3号機を打ち上げた。3月5日11時10分にスペースポート紀伊から離昇したロケットは、順調に飛行したかのように見えたが、その後「ミッション達成困難と判断し、飛行中断措置を行った」と同社が発表している。
【更新・追記】カイロスロケット3号機の打ち上げの様子を捉えた、大塚実氏の写真2点を追加。打ち上げ後の記者会見は同日15時からに変更された。
カイロスロケット3号機は固体3段+小型液体ブースターで構成した、全長18m・重量23tの小型ロケットで、今回はテラスペースの「TATARA-1R」をはじめ、計5機の人工衛星を宇宙へ運ぶ予定だった。和歌山県庁成長産業推進課の公式YouTubeチャンネルで行われていた、打ち上げライブ配信の映像からは、離昇後順調に飛行していたように見えた。
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SPACE PORT Kii 射点カメラから捉えたカイロスロケット3号機発射の瞬間 出所:カイロスロケット3号機打上げライブ配信(和歌山県庁成長産業推進課 公式YouTubeチャンネル) (C)スペースポート紀伊周辺地域協議会
しかし、高度を上げてしばらくしたところで、機体からやや膨らんだような煙が上がり、その後2号機同様にきりもみ回転をしているような姿が写った。射場にほど近い場所で現地取材を続けている、大塚実氏から届いた最新の打ち上げ写真を加えて、記事を更新する。
スペースワンはこのあと5日14時から記者会見を実施予定だ。続報をお待ちいただきたい。
【3月5日16時55分追記】
スペースワンは報道関係者向けに、今回の打ち上げ結果について声明を出した。同社が定めるミッション4(衛星軌道投入)のステップ2、つまり第1段燃焼終了と第1段・第2段の分離、第2段の点火までの過程において、飛行中断措置を取った。現在、詳細な飛行データの確認を行っているとのこと。
同社では「ミッションが最後まで達成できなかったことについて、顧客や打ち上げに尽力いただいた関係者の方々にお詫び申し上げる」と謝罪。また、「応援いただいた皆様の期待に沿えなかったことを大変残念に思う」とコメントしている。
なお、同日開催された記者会見には、スペースワンの豊田正和社長が登壇。報道関係者との質疑応答の中で「今回も確実にノウハウ、経験を蓄積しており、複数のミッションやステップにおいて前に進んでいる。全力を尽くしていることに間違いはない。『失敗』ということは、我々の文化には存在しない」と述べた。
また記者会見の冒頭には、経済産業省 製造産業局長の伊吹英明氏がオンラインで参加し、赤澤亮正 経済産業大臣のコメントを代読。以下に要約を引用する。
赤澤亮正 経済産業大臣のコメント要旨
スペースワンの関係者や関係企業の皆様、地元和歌山の皆様に対し、本日の打ち上げに至るまでの尽力に心から敬意を表する。カイロスロケット3号機は残念ながら成功には至らなかったが、前回の2号機に続き、3号機の打ち上げに挑戦されたこと自体に大きな意味があった。
宇宙開発には多くの挑戦を積み重ねてようやく成功を成し遂げた歴史がある。スペースワンは決して諦めることなく、今回得られたデータや知見を生かし、次の成功につなげてほしい。
私は、宇宙産業に関わる皆様に挑戦し続けてほしい、と改めて申し上げたい。経済産業省は、民間事業者による宇宙ビジネスへの果敢な挑戦を、引き続き力強く後押ししていく。







