鉄道によるスパッタリングターゲットのトライアル輸送を実施

JX金属は3月3日、茨城県にある同社磯原工場にて生産された半導体用スパッタリングターゲットを、茨城県の日立駅から九州の貨物ターミナル駅まで貨物鉄道を用いたトライアル輸送を実施したことを発表した。

  • 鉄道輸送の様子

    実際の鉄道輸送の様子 (出所:JX金属)

企業に求められるGHG排出削減

日本政府は現在、エネルギーの安定供給、経済成長、脱炭素を同時に実現することを目指し、「グリーントランスフォーメーション(GX)」を推進しており、各企業にも温室効果ガス(GHG)の排出削減が求められるようになっている。

そのGHG排出量の捉え方として、企業が製品製造や燃料利用などによって直接排出するGHGを「Scope1」、化石燃料を使って火力発電所で作られた電力など他社から供給された電気や熱など間接的に排出されるGHGを対象とする「Scope2」、そしてサプライチェーン上で発生する自社以外のGHG排出を対象とした「Scope3」と分けられ、環境省でもScope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量の合計がサプライチェーン排出量であるとし、それぞれの対応を求めている。

そうした中、同社はGHG排出削減として、物流に起因するScope3排出量の削減および持続可能な物流体制の構築に向けた貨物鉄道の活用による鉄道モーダルシフトの推進を掲げているという。

トラック業界の人手不足にも対応

今回のトライアルは2026年1月に実施したが、その結果を踏まえ同社ではメリットを確認したとして、2026年3月より貨物鉄道による輸送の本格利用を開始する予定であり、従来のトラックによる路線便と併用し、一部を鉄道輸送に切り替えることで、GHG排出量の削減とともにトラックドライバー不足への対応も進めていくとする。 なお、同社は2040年長期ビジョンにおけるマテリアリティの1つとして「地球環境保全への貢献」を掲げ、Scope1・Scope2の削減を推進するとともに、Scope3を含むサプライチェーン全体でのCO2排出量削減に向けた取り組みを行っているとのことで、今後も物流分野を含む事業活動全体での環境負荷低減に取り組み、低炭素社会の実現につなげていきたいとしている。