スペースワンは、3月4日のカイロスロケット3号機打ち上げ中止後に記者会見をふたたび開催。打ち上げに関わる自動監視システムが、支障をきたす事象を見つけ、安全のため緊急停止したということで、ロケットや気象状況に問題はなく、翌5日の11時10分に再度の打ち上げに臨みたい、としている。
カイロスロケット3号機は既報の通り、打ち上げ時刻になってもエンジンに着火しないまま離昇せず、3分後になってスペースワンが同日の打ち上げを中止すると発表した。
同ロケットは当初2月25日の打ち上げを予定していたが、天候判断により延期し3月1日に再設定。しかし同日は打ち上げ30分前に打ち上げ中止を発表し、その後の記者会見で「上空の風が、事前の飛行計画で想定していた以上に弱く、そのまま打ち上げると機体破壊のおそれもあるため中止を決めた」と説明していた。4日の打ち上げも中止となったことで、これで3度目の延期になる。
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SPACE PORT Kii 射点カメラから捉えたカイロスロケット3号機 出所:カイロスロケット3号機打上げライブ配信(和歌山県庁成長産業推進課 公式YouTubeチャンネル) (C)スペーズポート紀伊周辺地域協議会
スペースワン 執行役員(渉外本部長)の阿部耕三氏は、今回見つかった、打ち上げに支障をきたす事象として「(ロケットの打ち上げや飛行に関わる)測位衛星からの信号受信状態が安定しなかったため、リフトオフの28.9秒前になって、自動監視システムが安全のために打ち上げを緊急停止した」と説明している。
阿部氏の説明によると、カイロスロケット3号機には安全な飛行のために、機体の位置や速度に関わる“ローンチコントロールシステム”を備えており、その自動監視システムのしきい値を“厳しめ”に設定しているのだという。これらのシステムは、カイロスロケットの初号機や2号機の打ち上げを通じて実績を積み重ねてきたものでもあるとのこと。
しかし4日の打ち上げでは、これらのシステムが打ち上げ28.9秒前になって、安全のために打ち上げを緊急停止する判断を下し、地上側の設備から緊急停止信号を出したとのこと。具体的な原因として阿部氏は、「機体の最終チェック監視フェーズにおいて、測位衛星(いわゆるGNSS)からの信号の受信状態が安定しなかったため」だと説明している。
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SPACE PORT Kii 射点カメラから捉えたカイロスロケット3号機 出所:カイロスロケット3号機打上げライブ配信(和歌山県庁成長産業推進課 公式YouTubeチャンネル) (C)スペーズポート紀伊周辺地域協議会
明日5日11時10分に打ち上げを再設定した理由については、「明日は本日(4日)とほぼ同等の気象条件を確保できる見込みであり、測位衛星の配置は(4日よりも5日のほうが)打ち上げに適しているという解析結果が出ていることをふまえた」としている。
カイロスロケット3号機は固体3段+小型液体ブースターで構成した、全長18m・重量23tの小型ロケットで、軌道投入できなかった2号機同様、高度500kmの太陽同期軌道(SSO)という同じ条件で打ち上げる。今回のミッションでは、テラスペースの「TATARA-1R」をはじめ、計5機の人工衛星を宇宙へ運ぶ。
