AstroXは、小型ハイブリッドロケット「Kogitsune」を宙に吊り下げた状態で発射する実験に成功したと2月26日に発表。気球でロケットを成層圏まで運んで打ち上げる空中発射方式「Rockoon」(ロックーン)システムの実用化に向け、引き続き挑戦を進めるとしている。

  • (写真左から)背面からの全体図、前面下側からCMGとロケットを見上げたところ

    (写真左から)背面からの全体図、前面下側からCMGとロケットを見上げたところ

AstroXのRockoonシステムでは、ロケットを気球に吊り下げられたCMG(Control Momentum Gyro)方式の姿勢制御装置を介してランチャーレールへ装填し、気球の浮力によって成層圏まで浮上したのち、所定の方位角・仰角を保持しながら、空中で宇宙空間に向けて発射する構成としている。

福島・南相馬市で行われた今回の実験は、空中での気球環境を地上で模擬するため、2基のコンテナ上に門型ゲートを設置。そこにCMG姿勢制御装置とロケットを吊り下げた状態で、推力300N級の小型ロケット「Kogitsune」の発射実験を実施。風などの外乱が加わる条件下で制御をしながら、一連の発射挙動を検証した。

実験の結果、CMGによるランチャーレールおよびロケット本体の発射姿勢制御には成功。風の影響や、今回のように非正常な発射にともなう外乱が作用しても制御できることを実証できたとのこと。ただし、点火直後に燃料棒(市販購入品)が破損したことで、ロケットの正常飛翔には至らなかったという。

なお、Kogitsuneの諸元は全長1,700mm、直径154mm、質量10kgで、300N級ハイブリッドロケットモータを搭載し、到達高度は500m。南相馬市井田川実験場で2024年8月に地上発射実験を行い、成功している。

  • Kogitsuneロケット構造図

    Kogitsuneロケット構造図