竹中工務店は2月19日、コクヨ、ChopValue Manufacturing Japan(以下「ChopValue Japan」)と共同で、使用済み割り箸のアップサイクル技術として、建築空間およびオフィス家具への適用拡大を目指したパートナーシップ(共同研究契約)を締結したことを発表した。

竹中工務店は、「つくる」「つかう」「つなぐ」をキーワードとして、多様なステークホルダーとの協業によるサーキュラーエコノミー実現を目指す「サーキュラーデザインビルド」という資源循環コンセプトを提唱しており、これまで捨てられていた材料をアップサイクルすることで、街や建物へと循環させていく取り組みを進めている。

  • サーキュラーデザインビルドで目指す姿

    サーキュラーデザインビルドで目指す姿(出所:竹中工務店)

そんな同社が注目したのが、使い捨ての割り箸。日本では、使用済み割り箸が年間約200億膳も使い捨てられている。そのため、それらをアップサイクルしてオフィスをはじめとするさまざまな建物で導入することは、ごみの削減やCO2固定への寄与にとどまらず、身近な素材のアップサイクルを通じた消費者の意識変化や新たな文化醸成にも貢献することが期待されている。

そこで竹中工務店は今般、サーキュラーデザインビルドの実践として使用済み割り箸のアップサイクルに向けた取り組みに着手。コクヨと、カナダで2016年に創業し2025年には日本第一号工場を開設した、使用済み割り箸の什器や建材へのアップサイクル技術を有する循環型製造企業のChopValue Japanとの3社での共同研究契約が締結された。

今回の取り組みでは、コクヨと竹中工務店がそれぞれ抱える事業所での割り箸回収に関する実証実験を行い、日本における適切な回収体制およびロジスティクスの構築を目指すとのこと。並行して、ChopValue Japanのアップサイクル技術を活用して、コクヨは文具・家具、竹中工務店は建材における新用途・新製品の開発を進めるとする。またコクヨおよび竹中工務店が開発した建材や什器を用いて設計された空間に関して、エンドユーザーやデザイナーの印象評価なども3社で協業しながら行っていくとした。

  • 共同研究の概要図

    3社による共同研究の概要図(出所:竹中工務店)

竹中工務店は、これらの取り組みから得られる知見や実績を活かして、ChopValue Japanの先進的なエンジニアリング技術の建物空間への展開を推進する。具体的には、自社の事業所や建設現場で回収した割り箸を内装材や建材、家具什器などにアップサイクルし、他店のの設計提案や自社物件での活用を進めるとともに、建築主や自治体、地域とも協力し、箸の回収から建物への導入までの“川上から川下まで”を網羅したサーキュラーエコノミーへの取り組みを幅広く展開するという。

そして将来的には、ChopValue Japanが有する廃棄物を板材に変換する技術を、他の建築廃棄物のアップサイクルにも応用展開することを目指し、資源循環の取り組みを推進するとのこと。また今般の3社共同研究に加え、竹中工務店とChopValue Japanでの2者共同研究契約も締結し、幅広い建築物への適用に必要な内装材の防火認定取得のための検討も行うとしている。

  • 使用済み割り箸から製造された板材

    使用済み割り箸から製造された社名ロゴ入り板材(出所:竹中工務店)