USAレアアースがCHIPS法から16億ドルの資金を獲得
レアアース鉱山などを手掛ける米国のUSAレアアースは1月26日(米国時間)、米国政府からCHIPS・科学法(CHIPS and Science Act:CHIPS法)に基づき、2億7700万ドルの連邦資金ならびに13億ドルのシニア担保ローンで構成される約16億ドルの資金獲得に関する覚書(LOI)を取り交わしたこと、ならびに米国商務省に対して普通株式1610万株と約1760万株分の新規予約権を発行したことを発表した。
またUSAレアアースは併せて、Inflection Pointを中心に大手投資信託会社が参加する形で普通株式の私募投資(PIPE)により15億ドルを調達したことも併せて発表した。
米国のレアアース鉱山からの採掘や処理を加速
今回獲得する資金について同社は、採鉱、加工、金属製造、磁石製造といった自社の成長目標の加速とリスク軽減を目的としたもので、主に2028年に商業生産を開始する予定の米国テキサス州ラウンドロックの鉱山における1日あたり4万トンのレアアース・重要鉱物を含む原料の採掘・処理の実現に向けて投じられるとしている。
同鉱山では、半導体、航空宇宙、防衛、エネルギー生産に不可欠ながら米国内では入手が難しいジスプロシウム (Dy)、テルビウム(Tb)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ハフニウム(Hf)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ルテチウム(Lu)、イッテルビウム(Yb)、ホルミウム(Ho)、ガリウム(Ga)、ジルコニウム(Zr)といった12種類の重希土類元素(HREE)やサードパーティ製の混合レアアース炭酸塩(MREC)といった重要な鉱物酸化物および精鉱を年間で合計8000トン処理する予定だという。
また、オクラホマ州では、先端製造プロジェクトとして、ネオジム磁石(NdFeB)の生産能力を従来計画の2倍以上となる年間1万トンに引き上げるほか、現在米国には存在しない、年間1万トンの重希土類元素金属および合金の製造、ネオジム磁石の合金インゴット製造などに用いられるストリップキャストの鋳造能力の整備なども行う予定だともしている。
デジタルツインを活用したサプライチェーン構築も目指す
このほか、同社は米国エネルギー省(DOE)の国立エネルギー技術研究所(NETL)と協力し、デジタルツイン技術を活用する形で、希土類元素分離技術の発展に向けたデジタルツインの開発も推進し、米国初の完全国産の鉱山から磁石までのサプライチェーン構築も目指すともしている。