Metaが1月、VR(仮想現実)事業の人員を削減した。AIとスマートグラスへの投資にシフトする目的だが、これがVR業界全体の進展を鈍化させるという懸念が広がっているという。

想定より浸透しなかったVRヘッドセット

CNBCによると、MetaではVR、AR(拡張現実)、メタバース関連製品を開発するReality Labs部門の従業員約1000人(10%)を削減したという。削減は「Quest VR」ヘッドセットやMetaの仮想ソーシャルネットワーク「Horizon Worlds」に関連するチームに集中しており、一部の社内スタジオは閉鎖された。

同社は投資の方向性をVRからAI、そしてEssilorLuxotticaと共同開発する「Ray-Ban Meta」スマートグラスなど、ウェアラブル機器へと転換すると説明している。

MetaのVR事業は2014年に20億ドルで買収したOculusにさかのぼる。以来、ソーシャルネットワーク事業の次の成長先を探していた同社は、VRに投資へのフォーカスを鮮明にした。FacebookからMetaに社名を変更し、メタバースと呼ばれるデジタル世界の未来に賭けてきた。しかし、2020年末以降、Reality Labs部門は累計700億ドル以上の損失を計上しているようだ。

IDC アナリストのJitesh Ubrani氏は、VRヘッドセット市場をニッチで一部のビデオゲーマーにのみ訴求するものだと評価している。業界が約10年前に期待したような一般消費者の長時間VR利用は実現しなかったと、同氏は指摘。平均的な消費者は「大きくかさばるヘッドセット」の装着を避ける傾向にあるという。

IDCは2025年のVR・MRヘッドセットの出荷台数が42.8%減の390万台になると予測する一方で、AIスマートグラスは211.2%増の1060万台に成長すると見込んでいる。独立系VRコンテンツクリエイターのJessica Young氏はCNBCに対し、「VR冬の時代のように感じる」と懸念を表明した。1月24日付けでCNBCが報じている。