シーメンスとNVIDIAが産業分野でのAI活用に向けた協業を強化
Siemens(シーメンス)とNVIDIAは1月6日、CES 2026にてAIを現実世界へと展開することを目的に、両社の戦略的パートナーシップを拡大することを発表した。
このパートナーシップの拡大により、両社は、さまざまな業界および産業ワークフローに向けてAI駆動型イノベーションを提供することを可能とする産業用およびフィジカルAIソリューションの開発を目指すとともに、相互のオペレーションの加速を図るとしている。
この開発に向けて、NVIDIAはAIインフラ、シミュレーションライブラリ、モデル、フレームワーク、ブループリントを提供するとしている。一方のシーメンスは、数百人規模の産業用AIの専門家と、業界をリードするハードウェハおよびソフトウェアを投入するとしているほか、2026年に独エアランゲンのエレクトロニクス工場を最初のモデルケースとして、完全AI駆動型の適応型製造拠点をグローバルに構築することを目指すとしている。
この取り組みについて両社は、ソフトウェアデファインドのオートメーションおよび産業オペレーションソフトウェアに、NVIDIA OmniverseライブラリとNVIDIAのAIインフラを組み合わせた「AIブレイン」を活用することで、工場はデジタルツインを継続的に分析し、改善策を仮想空間上で検証したうえで、検証済みの知見を現場のオペレーションに反映できるようになると説明。この取り組みにより、デザインから展開に至るまでの意思決定がより迅速かつ信頼性の高いものとなり、生産性の向上と、コミッショニングに要する時間およびリスクの低減が可能になるとのことで、これらの機能を今後、主要な業界分野へと拡大していく方針であり、すでにFoxconn、HD Hyundai、KION Group、PepsiCo.などの企業が一部の機能についての評価を進めているとする。
半導体設計の高度化も支援
このほか、両社は半導体設計を起点としてNVIDIAが広範に活用してきたシーメンスのツールを基盤として、シーメンスは、検証、レイアウト、プロセス最適化を中心に、自社のEDAポートフォリオ全体にGPUアクセラレーション、NVIDIA CUDA-Xライブラリ、NVIDIA PhysicsNeMoを統合するとしており、この取り組みにより、主要なワークフローにおいて2~10倍の高速化を目指すとしている。
また、レイアウトのガイダンス、デバッグ支援、回路最適化といったAI支援機能の追加により、厳格な製造要件を満たしながら、エンジニアリングの生産性を向上させるともしており、これらの機能を通じて、設計、検証、製造適合性、デジタルツインの各分野におけるAIネイティブなエンジンの進化を促進し、設計サイクルの短縮、歩留まりの改善、そしてより高い信頼性の実現につなげていくともしている。
なお、両社はこうした取り組みを業界全体へ展開するのに先立つ形で、自社のシステムにテクノロジーを実装することで、相互のオペレーションおよびポートフォリオの加速を図るという。これにより、NVIDIAは、自社のオペレーションおよび提供内容の合理化と最適化を目的としてシーメンスのソリューションを評価するほか、シーメンスは、自社のワークロードを評価するとともに、NVIDIAと協業してそれらの加速を進め、AIをシーメンスの顧客向けポートフォリオに統合していくとするなど、両社が互いのオペレーションを加速させ、自社システムの高度化を図ることで、顧客に対して価値とスケーラビリティを示す具体的な実証例を創出していくとする。

