半導体製造装置メーカーのディスコは12月12日、φ300mmに対応したフルオートグラインダ「DFG8561」を開発したことを発表した。同製品は12月17日~19日まで東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2025」にて展示される。
300mm時代を見据えた“スタンダードモデル”登場
半導体の後工程においては、低背化・高集積化を実現するため、ウェハの薄化研削が一般的なプロセスとなってきている。また自動車・家電向けのマイコン・アナログIC・センサなどの生産を効率化するため、φ5インチ~6インチが主流だった市場はφ8インチ~φ300mm(12インチ)への移行も加速。大口径ウェハの薄化を高精度で実行する装置の開発が求められている。
“Kiru・Kezuru・Migaku”(KKM)の技術にフォーカスし半導体製造装置の提供を行うディスコは、ウェハ研削を担うグラインダのラインナップを幅広く有しており、さまざまなニーズに対応してきた。そして今般同社は、φ300mmの大口径に対応し、さらに高精度での加工を実現する2軸研削スタンダードモデルとして、フルオートグラインダ「DFG8561」の開発を行ったとする。
同製品の最大の強みは“ウェハの厚み精度の向上”。荒研削と仕上げ研削の2軸で加工を行う新製品では、50~100μm程度の厚みにおいて高い精度での加工が実現された。ディスコの担当者は、こうした性能向上を実現した大きな要素として“装置内の熱設計”と“回転軸の安定”を挙げる。装置内で生じた熱はウェハなどを変形させうるため、さまざまな方策によってその影響を最小限に抑えたとのこと。そしてウェハ固定テーブルには低振動・低熱膨張の回転軸を採用するなど、培ったノウハウを活かした試行錯誤を繰り返し、ウェハ表面の平坦さも向上させる設計とすることで、ウェハ面内およびウェハ間での厚み精度を高めたとしている。
高スループット・省面積で生産性向上にも貢献
また新製品では、さまざまな面から生産性向上にも寄与するという。装置内では、搬送や洗浄を行う機構の最適化によって処理時間を短縮し、スループットを従来機比で約1.6倍にまで向上。加えて装置全体の設計最適化によって、従来機では装置に外付けしていたバキュームポンプを内蔵し、フットプリントを約12%削減したことで、面積あたりの生産性も高めたとする。さらにウェハカセットステージは2か所設けられているため、OHT(天井走行式無人搬送)などと組み合わせることで、ムダ時間の無いフルオートプロセスの構築も可能になるとした。
一方でDFG8561は、同一カセット内でウェハ1枚ごとに加工レシピを設定することも可能だといい、少量多品種生産や研究開発段階でのウェハ加工にも適しているとのこと。レシピの変更は、装置に内蔵された19インチの大型タッチモニターでの直感的な操作で実行できるといい、主要データについてもリアルタイムでグラフ表示できるとする。また高出力スピンドルの搭載によって幅広い材料にも対応しているといい、シリコンだけでなく、炭化ケイ素(SiC)やサファイアなど次世代半導体材料として期待がかかる難研削材料の加工も可能だという。
ディスコ担当者は今回開発されたDFG8561を“幅広いニーズに対応するフルオートグラインダ”と表現。「特定のニーズに合わせて製品ラインナップを絞ると、別のニーズに対して不都合が生じる。オーバースペックな製品を導入している現場や、逆にニーズに合わせて多くの改造が行われているケースが見られます」とした上で、「我々ディスコとしては、幅広い製品ラインナップを揃えることで、顧客に合った機能・価格の半導体製造装置を提供していく」とし、今回の新製品は300mm対応フルオートグラインダの新たな“スタンダード”として提供していくとしている。

