フレキシブルエレクトロニクスの共創拠点を開設

ニコンは12月10日、同日付で同社相模原製作所内にフレキシブルエレクトロニクスの開発に必要な一連の装置を備えた共創プラットフォーム「S3S LAB(エス スリー エス ラボ)」を開設したことを発表した。

  • 「S3S LAB(エス スリー エス ラボ)」

    ニコンの相模原製作所内に開設された「S3S LAB(エス スリー エス ラボ)」 (提供:ニコン)

フレキシブルエレクトロニクスは、フィルム表面に電子回路を形成することで、薄型、軽量、透明、自由な形状を実現する技術として近年注目を集めつつある。応用範囲もディスプレイやセンサー、ペロブスカイト太陽電池などさまざまで、新たな可能性を切り開く技術として活用が期待されているが、研究開発から量産への移行には高額な設備投資が必要である点が課題とされていた。

独自開発のR2R方式のマスクレス露光装置を設置

同ラボは、そうしたフレキシブルエレクトロニクスデバイスの製造を進めたい顧客を支援するための共創の場という位置づけで、デバイスの製造に必要な成膜技術や多層配線形成技術を活用する各種装置に加え、同社独自開発のRoll to Roll(R2R)方式に対応するマスクレス露光装置も設置。これにより、試作品の製造から量産プロセス開発までを一貫して支援することが可能となり、顧客は大規模な設備投資を行うことなく、量産に必要なプロセス検証や事業化判断を推進することができるようになると同社では説明している。

  • R2Rマスクレス露光装置

    独自開発のR2Rマスクレス露光装置 (提供:ニコン)

今回開発されたR2Rのマスクレス露光装置は、FPD露光装置で培ったマルチレンズテクノロジー技術を活用することで1秒あたり10mmの生産性を実現しつつ、熱などによる歪みや収縮が生じやすいフィルムに対して、6.0μm(L/S)の解像度と±2μm以内の重ね合わせ精度を両立させたもので、高精細・多層配線デバイスに対応できるとする。

光源にはi線を採用。フィルム幅は400mm以下(その他のサイズは応相談)で、CADデータをもとに露光を行うため、フォトマスク不要で製造することができるほか、ポリゴンスキャン方式を採用してロールの曲面上でパターニングを行うことで、連続的なパターニングを実現したという。

  • 露光されたフィルムの例

    露光されたフィルムの例 (提供:ニコン)

なお、同社では量産フェーズにおいては、同ラボで培ったプロセス技術やR2R装置群の提供を通じて、顧客の事業化とフレキシブルエレクトロニクス産業の発展につなげていくことも目指すとしている。