Space BDが、人工衛星をロケットに載せて打ち上げるときに使われる、複数衛星搭載システム「TOHRO」(灯籠)を開発する。従来は打ち上げごとに専用設計が必要だった搭載システムを標準化・汎用化することで、国内ロケットによる多様な小型衛星の打上げ機会の創出と、打ち上げ能力の最大化をめざす。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金事業(第二期)の技術開発テーマ「高頻度打上げに資するロケット部品・コンポーネント等の開発」に、Space BDが提案した「ロケット間の互換性を有する複数衛星搭載システム ”TOHRO”(灯籠)の開発」が採択されたことを受け、12月9日に発表したもの。

川崎重工業を連携機関とし、Space BDが持つ市場知見や顧客網と、川崎重工が持つ設計・製造技術を融合させ、開発から社会実装までを迅速に推進するとしている。

TOHROを構成する3つの開発予定コンポーネントとして、Space BDは以下を挙げている。

  • ロケット一機あたりの搭載衛星数を最大化する「小型衛星搭載アダプタ」
  • 低衝撃性かつ高信頼性を有する「衛星分離機構(Simple PAF 24M)」
  • 小型衛星搭載アダプタの1ポートに複数機搭載を可能にする「インターフェースプレート」

TOHROという名称についてSpace BDは、東アジアの伝統的な照明器具である「灯籠」に由来し、その構成要素である「籠」(かご)が持つ「複数の物をまとめて運ぶ道具」という意味を、複数の衛星を安全かつ効率的に宇宙へ送り届ける本製品の機能に重ね合わせて表現したものだと説明。

さらに“日本らしい情緒的な側面”として、「Space BDが提供する日本の技術力が、暗い宇宙空間で人類の活動の光となる人工衛星をひとつひとつていねいに送り出し、宇宙の未来を明るく照らす存在となることへの願いを込めている」としている。

昨今増大する衛星打上げ需要に対し、打ち上げの海外依存が課題となっている。「宇宙商社」としてこれまでに約100件の衛星プロジェクトを手がけてきたSpace BDでは、TOHROの開発を通じて、国内ロケットによる多様な小型衛星の打上げ機会の創出と、打上げ能力の最大化を追求。今回のプロジェクトで、ロケット事業者・衛星事業者双方のニーズを満たす「競争力ある製品」としての開発要件を定義し、川崎重工と共にグローバル市場に伍するシステムの構築をめざすとしている。