川崎重工業は、12月3日に開幕した「2025国際ロボット展」にて、等身大ヒューマノイドロボット「Kaleido」(カレイド)の最新型“バージョン9”を初公開した。Kaleidoは、転んでも壊れないロバスト性の実現を目指し、2015年から開発しているロボット。今回披露された最新型は、従来よりも安定性が向上しているという。
ゴーグル遠隔操縦やLIDAR搭載など、最新型の進化点
Kaleidoバージョン9の身長は190cm、体重は99kg。全身に30軸(ハンドは別)の自由度を持つ。従来のバージョン8をベースに開発されており、そこから特に下半身を強化。関節のトルクは維持したまま、2倍の速度を出せるようにした。
「転んでも壊れない」が目標とはいえ、そもそも転倒は避けたい。転びさえしなければ、故障するリスクはぐっと減るからだ。従来は、バランスを崩したとき、脚を出すのが間に合わず転ぶことがあったが、新型ではパッと脚を出して踏ん張り、転倒を防ぐことができるようになったそうだ。
また、VRゴーグル(Meta Quest 3)による遠隔操縦にも対応させた。Kaleidoの頭部にステレオカメラを搭載。その映像を見ながら、両手のコントローラで操作することができる。ステレオカメラなので立体感があり、操作は容易だ。
一方、胸にはLIDARセンサーを追加。周囲環境の3D情報を取得しながら、自律的に移動できる。シミュレーションでAIの強化学習も行い、さらにスムーズな動きを実現していくという。
川崎重工業では、自律と遠隔操縦のどちらも必要、と見ている。近年のAIは成長著しく、様々な分野で活用が進むが、用途によっては、まだ人間による判断が必要な場合も多い。それに遠隔操縦であれば、力仕事であっても、人間の負担は小さい。一線を退いたベテランや、下半身に障害のある人などでも、働いてもらいやすいだろう。
またバージョン9では、車椅子のような移動ユニット「Kaleidoステーション」も開発した。平坦な場所では車輪で素早く移動し、現場に到着したら降りて作業を開始するようなことができる。ロボット本体のみだと稼働時間は30分ほどだが、ステーションで自動充電するようなことも考えられている。
庭掃除や救助活動のデモを披露
ブースでの動作デモでは、工場、家庭、災害を想定した3つのエリアを用意。竹箒で庭掃除をする様子や、遠隔操縦で救助活動を行う様子などが紹介された。
次のバージョン10についても開発が始まっており、少し小型化する予定だという。現在のKaleidoは"等身大"というにはちょっと大きいのだが、物理的に、大きいと転倒時の衝撃も激しく、どうしても壊れやすい。よりロバストな性能を目指すため、大人の平均的な身長くらいには抑えたい、ということだ。
【動画】Kaleidoの動作デモ












