台湾の検察当局は11月27日、台湾積体電路製造(TSMC)の元上級幹部の自宅を家宅捜索し、PCを押収したと発表した。TSMCが同氏による営業秘密の漏洩を訴えていたことを受けてのものだが、現在の雇用主であるIntel(インテル)はこの疑惑を否定している。

台湾の国家安全法に違反した疑い

TSMCは11月25日、元上級副社長のWei-Jen Lo氏を相手取り、台湾の知的財産・商事裁判所に訴訟を起こしたと明らかにしていた。台湾検察の知的財産部門は声明で、Lo氏が台湾の国家安全法に違反した疑いがあると述べているという。

検察によると、捜査員は11月27日午後、捜索令状に基づきLo氏の2カ所ある自宅を捜索し、PC、USBドライブ、そのほかの証拠品を押収した。裁判所は、Lo氏の株式と不動産の差し押さえ請求も承認したという。

インテルはその後、TSMCの疑惑を否定し「われわれが知る限り、Lo氏に関する疑惑に根拠があると信じる理由はない」とメールでコメントを発表したとのことだ。合わせて、第三者の機密情報や知的財産の使用または移転を厳格に禁止する厳格な方針と管理体制を維持しているとも主張したという。

Lo氏はTSMCで最先端の5nm、3nm、2nmチップの量産を推進し、21年間のキャリアを経て退職後、今年10月にインテルに入社した。2004年にTSMCに入社する前、Lo氏はインテルで18年間勤務していた。

Lo氏の自社への転職については「企業間の人材移動は業界では一般的で健全なものであり、この状況も同様だ」と記しているという。

TSMCは声明で、「Lo氏がTSMCの営業秘密や機密情報をインテルに使用、漏洩、開示、または移転する可能性が高いため、法的措置が必要となった」と述べていた。Reutersが11月27日付で報じている。