新たなチップレットを開発する際の課題
コネクテックジャパンは11月27日、さまざまな構造のチップレットの実装を可能とする「チップレット実装受託開発・受託製造一貫ビジネスモデル」として「CADN(Chiplet Ameba Development Network:キャダン)」の提供を開始したことを発表した。
半導体の高性能化を可能にする先端パッケージング技術、その中の1つであるチップレットといっても、そこに搭載する半導体チップの種類や用途、適用分野などによって求められる技術はTSV/TGV/RDL/3次元実装など多岐にわたるほか、構造や工法もさまざまなものがある。一部OSATやファウンドリなどもチップレットの製造対応を進めているが、そうしたものは基本的に、すでに製造法が確立され、大量生産に対応するものが大半であり、試作開発や新たな適用分野に向けた試験的な製造といったニーズには応えることが難しかったという。
高まるチップレットに対する需要
同社は、2025年初頭より実装前工程であるTSVやRDKなどのシリコンインターポーザー加工として、TSV径φ20μm、RDL層数1層での開発生産サービスを開始。2026年度にはTSV径φ10μm、RDL層数2層、2027年度にはTSV径1μm、RDL層数4層へとサービスを拡大させることを計画しているほか、RDL1層および2層のシリコンインターポーザーの開発、シリコンインターポーザーへの多段実装、イメージセンサ用シリコン穴加工、ハイブリッド接続検証ウェハ作成、有機コア上3層RDL作成、TGV基板接合などの開発・納品・出荷実績もすでに有しているという。




従来の半導体をはじめとする電子デバイスの実装開発受託サービス「OSRDA(Outsourced Semiconductor R&D Assembly)」。パートナー企業との連携ノウハウを活用することで2024年度には年間で396件の受託開発案件を対応したという (資料提供:コネクテックジャパン、以下すべてのスライド同様)
また、社内の独自技術としてTSVに対するφ1μm~φ400μmまでの各種穴径とピッチ、配置を備えたテストウェハ用マスクの設計・作成に基づくTSV加工評価も実施済み。すでにこれまでにシリコンインターポーザーへのディープドライエッチング、絶縁膜形成、シードスパッタの初期検討が終了しているほか、穴埋めめっきも評価中だとしている。
さらに、国内のさまざまな微細加工技術持っているパートナー300社超とのネットワークを形成。こうした協力企業と有機的に結びつくことで、シリコンインターポーザーについては4インチ~300mmサイズまでの対応を可能としたほか、ガラスや有機インターポーザーについても、サイズは要相談ながら対応を開始したともする。
300社を超すパートナーの力も活用してあらゆるチップレット開発ニーズに対応
しかし、この約1年にわたる一気通貫の開発・生産サービスを通じて、多くの顧客から技術的な課題のほか、上記のような少量開発や少量生産ニーズに対する受け皿がないこと、ならびに光電融合やセンサ、パワー半導体などの搭載を検討した場合、TSV/TGV/RDLの有無、ベース基板や層間膜の種類、配線層数、平坦化の有無、配線材料の種類などがさまざまで、多種多様な構造、工法に対応する必要があるといったニーズがあることが判明。こうしたニーズに組織的な方向性を持って対応する仕組みがCADNだという。
具体的には、コネクテックジャパンが窓口となり、顧客からの要望をヒアリング。パートナーと自社の持つ技術の組み合わせから顧客が実現したい機能などを実現するために最適なソリューションを導き出して提案、実際の加工・納品までをコネクテックが管理する形で提供するサービスとなる。コネクテックだけではなく、国内のパートナー各社の持てる技術を活用することで、参加するパートナー各社のリソースと投資を抑えつつ、顧客の実現したい最先端のソリューションを届けることが可能な仕組みとなるという。
また、国内には多くのレガシー半導体工場が残されているが、センサ用途などでのチップレットの場合、そうした小径のウェハで対応できる案件も多く、新たな既存半導体工場の利活用にもつながることも期待できるようになるともする。
さらに、300社は同社が本社を構える新潟県のみならず、北は北海道から南は鹿児島県まで分散しており、災害時のリスクを軽減できるほか、パートナー各社の現状のリソースやインフラを最大限活用できるため、どこかの地域に偏重するリスクも回避できるともしている。
日清紡マイクロと相互協力の覚書を締結
中でも主力パートナーである日清紡マイクロデバイスとは11月7日付で、CADNのほか、すでにコネクテックが提供をしているTSV/RDL事業に関する相互協力の覚書を締結済みとしており、これにより日清紡マイクロが有する4インチから8インチの半導体工場4拠点を活用した加工ができるようになったとする。
なお、コネクテックでは、CADNに共感してもらえる半導体関連企業や他の業界企業にもパートナーとして参加してもらって、ネットワークの拡大を図っていくことで、さらなる技術の提供につなげたいとしているほか、自社での人材採用も積極的に進めていくことで、受託開発に向けた体制強化も図っていき、今後、さらに増えるであろう先端パッケージングの技術開発ニーズへの対応を強化していきたいとしている。
また、同社は2025年12月17日~19日にかけて開催されるSEMICON Japan 2025にも出展する予定でもCADNの取り組みを中心に具体的な開発事例などを多数展示することで、実際にサービスを使ってもらったら、どのようなことが実現できるのか、といったことをより多くの人に知ってもらうことを目指したいともしている。


















