米AMDは11月17日、「Versal アダプティブSoC」ポートフォリオ向けに、宇宙グレードの新しいパッケージ技術を発表。軌道上での処理能力が向上し、ミッション期間を最大15年まで延長できるほか、次世代の航空宇宙システム設計が可能になるとしている。

新たに発表したのは、「Versal AI Core」シリーズのアダプティブSoC「XQR VC1902」用の有機リッドレス(フタなし)パッケージ。宇宙空間の極限環境にも対応できるよう設計しており、最長15年間の長期宇宙飛行ミッションを対象としたClass Y認証の取得をめざしている。

AMDはこの新パッケージについて、静止軌道衛星や月探査、深宇宙探査機といった長期ミッションに向け、堅牢な基盤を提供するとアピール。宇宙ミッションは10年以上に及ぶこともあり、高い信頼性が求められる。AMDの強化パッケージ技術は、こうした過酷な環境下でも高い性能を発揮するよう設計しており、リッドレス設計によって熱性能が向上するとのこと。

また、「Versal RF」シリーズ(VR1602、VR1652)と第2世代「Versal AI Edge」ファミリー(2VE3858、2VE3558)向けの宇宙認定パッケージ開発も進めており、Class BとClass Yの認証取得を進行するなど、宇宙グレード製品ラインを拡充。後者については、宇宙空間における後処理とデータ管理のためのスカラー演算性能が10倍向上しているとのこと。

Versal AI Core XQR VC1902は2026年にサンプル提供を開始し、飛行認定ユニットは2027年に利用可能となる見込み。Versal RFシリーズと第2世代Versal AI Edgeファミリーの宇宙認定バージョンは2029年に続く見込みとしている。

なお、Class BとClass Y認定は、性能・信頼性・品質など多岐にわたる領域で宇宙空間のような厳しい環境へのチップ適性を規定する、米国軍用規格MIL-PRF-38535に基づくものだ。

具体的には、クラスB認定は、低軌道や短期ミッションなど、高い性能や信頼性に加えてコストとスケジュールの効率性も重視されるミッションを対象とする。クラスY認定は、最高レベルの宇宙飛行保証を表しており、長期ミッションや深宇宙ミッションにおける最大限の信頼性を確保するために、拡張された試験やスクリーニング、文書化基準を適用するとしている。