STM32マイコン向けAIモデルがバージョンアップ

STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は11月18日、組み込みAIアプリケーションの迅速な試作設計と開発の実現に向けて、STM32マイコン向けに最適化された無償のAIモデル「STM32 AI Model Zoo」に新たなモデルを追加したこと、ならびにプロジェクトサポートの強化を発表した。

さまざまな電子機器のコントロールを担うマイコンは、その設計上、高価なSoCやMPUと異なり処理能力とメモリ容量に制約があるため、システム開発者は性能と効率の両面におけるAIモデルの最適化を図る必要性が生じる。STM32 AI Model Zooの最新版となるバージョン4.0を活用することで、利用可能なリソースを最大限に活用することができるようになるのと同時に、最小限の消費電力で動作する高効率モデルを開発することができるようになるとSTでは説明している。

140種類以上のビジョン/オーディオ/センシングエッジAIアプリ対応モデルを提供

今回のバージョンアップに基づき、提供されるウェアラブル機器、スマートカメラ、スマートセンサ、セキュリティ/安全機器、ロボットなどに組み込まれるビジョン/オーディオ/センシング向け学習済みAIモデルの数は従来の30種類から60種類に倍増したほか、マイコン向け既製モデルを含め140種類以上のモデルを利用することが可能になったとする。また、 単なるモデルカタログにとどまらず、トレーニングやモデルとアプリケーションライブラリの統合を支援するスクリプトにより、性能と効率を最適化する完全なワークフローソリューションも提供されるとするほか、 TensorFlow Lite、Keras AIフレームワーク、LiteRT、ONNXフォーマットの既存のサポートに加え、新たにPyTorchモデルをネイティブでサポートしたとする。

さらに、圧縮モデルやサブバイト量子化モデルにより、組み込みAIの効率を向上させることも可能であるともしている。

なお、同社では、データサイエンスを応用して実際に動作するアプリケーションを作成し、組み込みプラットフォーム向けに調整する取り組みには、複雑な技術的課題が伴うため、そのプロセス全体を通じて開発者へのサポートが必要なため、利用可能なモデルの選択肢を広げると同時に、STM32開発者コミュニティがプロジェクトを迅速に開始できるようにSTM32 AI Model Zoo 4.0を用いた導入に至るまでのインフラも強化しており、こうした取り組みはフィジカルAIの実現に向けた取り組みの一環であると説明している。