日本最大級の組み込み・エッジテクノロジー総合展示会「EdgeTech+ 2025」が11月19日~21日かけて、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて開催されている。同イベントにてアットマークテクノは情報処理推進機構のセキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)の★1に適合可能な、12月発売予定のWi-SUNゲートウェイや11月に発売されたばかりのIoTルーターといった最新ハードウェアの紹介のほか、「EdgeTech+ AWARD 2025 JASA特別賞」を受賞した取り組みである「市販SoM向けのArmadillo Base OS / Armadillo Twin」の紹介などを行っている。
JC-STARに適合したIoTルーターとWi-SUNゲートウェイ
情報処理推進機構(IPA)が運用するIoT製品に対する「セキュリティ要件適合評価およびラベリング制度(JC-STAR:Labeling Scheme based on Japan Cyber-Security Technical Assessment Requirements)」のIoT製品共通の最低限の脅威に対応するための適合基準が★1(レベル1)となるが、同社が新たに発売するWi-SUNゲートウェイ「Armadillo-IoTゲートウェイ A9E Wi-SUNモデル」およびIoTゲートウェイ「Armadillo-IoT ルーター A9R」は その認定取得に必要なセキュリティ対策が施された製品。
A9Rは、LTE Cat.1bis通信対応のIoTルーターで、IPルーターとしてLANおよび無線LANの接続デバイスを安全にインターネットに接続することを可能としているほか、無線LANアクセスポイントやDHCPサーバーとして使用することができ、アドレス変換/フィルタ機能やVPN機能、DDNS機能などの基本的なルーター機能を備えているという。
また、同社が提供するデバイス運用管理クラウドサービス「Armadillo Twin」に対応しており、クラウドからIoTルーターの稼働監視をできるほか、デバイス再起動やソフトウェアアップデートも可能だとする。
さらに、クラウドI/Oマネージャー機能も搭載しておりIoTルーター本体を開発することなく、AWSやMicrosoft Azureといったクラウドサービスと連携し、RS-485や接点入出力デバイスの監視や制御を実行できるため、実用的なIoTソリューションを少ない工数で実現することもできるようになるとしている。
一方のA9E Wi-SUNモデルはLTE(Cat.1 bis)通信モジュールを搭載しERAB(エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス)システムと接続するほか、各種のエネルギー機器との接続のためにEthernet、WLAN、Bluetooth、Thread通信の併用も可能なWi-SUN対応のIoTゲートウェイ。
高いセキュリティを提供する独自開発のコンテナ技術を利用したLinuxベースOS「Armadillo Base OS」を搭載。JC-STAR★1に適合するための実装やソフトウェア開発環境が用意されているため、通信制御用アプリケーションの開発を行うだけで、セキュアなIoTゲートウェイが実現できるようになるという。また、Armadillo Twinとの連携により、IoTゲートウェイの死活監視、遠隔操作、OTA(Over the Air update)も可能だという。
他社製SoMでもArmadillo Base OSとArmadillo Twinが活用可能に
このようにアットマークテクノが自社のIoTゲートウェイやIoTルーター向けに提供してきたArmadillo Base OSとArmadillo Twinだが、新たな取り組みとして、自社製品のみならず、市販されているLinuxが動作可能なSoM(System on Module)ベースのハードウェアへの対応を開始。この取り組みが、今回、「EdgeTech+ AWARD 2025 JASA特別賞」を受賞した。
同社代表取締役社長である實吉智裕氏は、この取り組みについて、「アプリケーションベンダがシステム開発をするうえで、Linuxがわからない上にセキュリティ対策をしないといけないという課題があった。この取り組みはそういった課題を解決するもので、すでに使ってみたいという声も届いている」と説明する。また、日本のJC-STARだけでなく欧州でもEUサイバーレジリエンス法(CRA)への対応が求められるようになっており、SoMに対応することで、輸出対応もしやすくなるというメリットがあるとする。
「CRAへの対応は世界的な課題。その課題に対して、今回の取り組みを活用することで対応できるようになる」と海外での活用にも期待を寄せる。
基本的にはLinuxが動作可能なSoMであれば問題なく実装できるとしており、アットマークテクノとしての認定とかを出すといった予定もないとする。とはいえ、どのSoMが対応できるのか、といった質問などに対応するべく、同社としては第1弾のパートナーとしてADLINKと協力。ADLINKが、自社のSoMにアットマークテクノのIoTセキュリティに特化したArmadillo Base OSのライセンスをバンドルしたソリューションとして販売していくことを発表しており、その対象第1弾としてはNXP SemiconductorsのSoC「i.MX 8M Plus」を搭載したSMARC規格SoM「LEC-IMX8MP」が挙げられている。
なお、Armadillo Base OSは長期にわたってサポートされ、アップデートごとにSBOM(Software Bills of Material:ソフトウェア部品表)が提供されるほか、GPLv3(GNU General Public License 第3版)のソフトウェアを含まない構成を標準としているため、幅広い組み込み機器に対して利用することが容易なOSだとしており、両社は今後も同OSに対応したSoMのラインアップを順次拡大させていき、グローバル市場に向けて提供していくことを予定しているとするほか、今後策定されるJC-STAR★2以上の要件やCRAへの適用に向けてOSの機能拡充なども図っていく予定としている。





