
高市早苗政権の発足に伴い、財務・金融相に片山さつき氏が就いた。2021年から4年間、自民党の金融調査会長を務め、長官の伊藤豊氏ら幹部も「勝手知ったる間柄」。片山氏自身も「資産運用立国の推進やコーポレートガバナンスの強化など金融庁とすべて一致して二人三脚でやってきた」と強調。
とはいえ、これまでの活動、言動を見ても、金融相としても独自性を発揮していくものと見られている。このため、監督局などの現場からは「高い球を投げられるのではないか」などと不安の声も漏れ聞こえる。
「日本株保有を優遇する仕組みを考えなければいけない」。新NISAについて、片山氏はかねてこう提言してきた。今や口座数が2600万を超え、個人の資産運用の代表的な受け皿に成長したが、投資先の多くは外国資産が占め、「日本の個人マネーを海外に流出させ、円安の一因ともなっている」(証券アナリスト)と指摘される。
日本経済の成長を重視する高市政権から見れば、2000兆円を上回る個人の金融資産を国内産業の成長に活かせていないとも映るわけで、片山金融相が新NISAの制度設計に注文をつけてくる可能性がある。
また、片山氏は地域金融機関の経営強化にも強いこだわりを見せる。地方創生相を務め、24年6月には党内に地域金融議員連盟を発足させた経緯があるからだ。金融庁も公的資金による資本注入制度の拡充やDX支援などを柱とした「地域金融力強化プラン」を策定中。
ただ、人口減少の加速をにらみ地銀や信金に再編を促して経営の持続性を高めようと考える金融庁と、あくまで個別の地銀や信金による経営の独自性を尊重しながら地域金融力を強化することを志向する片山氏とでは、考え方に隔たりもある。伊藤氏が新大臣の意向を受けて地域金融行政をどうかじ取りしていくかも注目される。