ニコンは、UV-LED光源を初めて採用したFPD露光装置2機種を発表。ディスプレイなど高精細パネルを製造するための装置で、高い解像度と生産性を両立しながら環境負荷低減も追求している。

  • FPD露光装置「FX-88SL」のイメージ

    FPD露光装置「FX-88SL」のイメージ

搭載するUV-LED光源の波長などが異なる「FX-88SL」と「FX-88SLD」の2機種展開で、2025年11月に受注開始、2026年4月に市場投入予定だ。

スマートデバイスから大型のハイエンドモニターまで、高精細パネルの需要が高まる一方、パネル製造における高い生産性と消費電力抑制の両立が求められるといった背景を受け、ニコンでは消費電力が小さく、水銀を使用しないUV-LED(紫外線LED)光源を、FPD露光装置として初めて採用(ニコン調べ)。

UV-LED光源には、高照度により生産性を高める効果がありながら、省エネでランニングコストも抑えられるといった特徴があるという。ニコンではさらに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、UV-LED光源の部品をリサイクルする仕組みも構築した。

  • FX-88SLとFX-88SLDが対応する市場

    FX-88SLとFX-88SLDが対応する市場

高精度フォーカス補正システムにより、プレート全面で高い線幅均一性を追求しながら、どちらも第8世代プレートサイズ(2,290×2,620mm)に対応し、4回のスキャンで全面露光できるのが特徴。2機種は搭載するUV-LED光源の波長や解像度が異なる。

FX-88SLは光源にi線を搭載し、解像度は1.5µm(L/S:Line and Space。配線の幅と隣り合う配線同士の間隔を表す)で、タクトタイムはプレート1枚あたり39秒と、従来機種(FX-88S)比で17%向上。

FX-88SLDは光源にi線相当とh線相当という2つの波長を搭載し、解像度は2.5µm(同)で、高照度が必要な製造工程の生産性をさらに高められるとアピールしている。

高精度なアライメント技術により、重ね合わせ精度±0.3µmを実現している点も特徴。複数の投影レンズを並べて精密制御し、1本の巨大レンズのように露光できるというニコン独自の「マルチレンズシステム」により、大型プレートで発生しやすい歪みなどの変形に対しても、高い重ね合わせ精度が得られ、高い歩留まりでの量産に寄与するとしている。投影倍率は1:1。