データセンタープロセッサ市場は、高性能なコンピューティングを必要とする生成AIのニーズの高まりに牽引される形で急速に拡大している。
その市場規模は2024年に1470億ドルであったが、2030年まで年平均成長率(CAGR)17%で成長を続け、2030年に3720億ドルに達するとYole Groupは予測している。
市場のけん引役はGPUとAI ASICであり、2030年にはGPUが2300億ドル、AI ASICが840億ドルに達すると予測される。また、CPUやDPUも成長し、2030年にはCPUが350億ドル、DPUが170億ドルに達すると予測される。一方、AI領域におけるFPGAは減少傾向となっており、中期的には横ばいになるとYoleでは予想しているほか、暗号通貨市場の拡大が暗号通貨取引の検証に不可欠な暗号通貨ファーム内の暗号通貨ASICの成長を後押しするともしている。
GPUへの対抗、GoogleとAWSが推進する独自AI ASIC開発
2022年のOpenAIによる生成AI市場創出はデータセンタープロセッサ市場に変革をもたらし、NVIDIAのGPUに大きな利益をもたらす結果となっている。こうしたNVIDIAの支配的な地位に対し、GoogleやAWSなどのハイパースケーラーは、Broadcom、Marvell、Alchipと協力して独自のAI ASICを設計して独立性を高めているほか、AI ASICへのシフトの中で、Groq、Cerebras、Graphcoreなどのスタートアップ各社が市場での地位を模索し、M&Aや資金調達の波を起こしている。
また、このパフォーマンスへの追求が、ArmベースのCPUへの移行を促進し、x86アーキテクチャにおけるIntelとAMDの長年のリーダーシップを混乱させる状況も引き起こす事態となっている。冷却ソリューションと高電力容量の専門知識を備えた暗号通貨マイニング企業も、強力なGPUをホストすることでAI市場に参入し始めている。
生成AIの未来を切り開くマルチチップレットと先端プロセス
チップレットは現在、GPU、CPU、ASICにおいて重要な役割を果たすようになっている。歩留まりの最適化を図りつつ、より先端のプロセスを活用した高性能な半導体チップを実現できるためで、2024年はCPUが3nmを、GPUとAI ASICは4nmが中心であったものが、2025年にはいずれも3nmがメインになると予想されているが、今後も微細化が続いていくことが見込まれている。
高まるAI需要に対応するために、コンピューティング性能は2020年以降でこれまでに8倍ほど高まってきたが、高性能化ニーズは留まるところを知らず、NVIDIAが2027年に投入予定のRubin UltraではAI処理性能(FP4)が100PFlopsとしている。
また、AIモデルが大きくなり、低レイテンシと高帯域幅の必要性が高まるにつれて、メモリはAIアプリケーションで重要な役割を果たすようになってきた。NVIDIA、AMD、Google、AWSのAIプロセッサではHBMが重要な役割を担うようになってきた一方、GroqやGraphcoreなど複数のAI ASICスタートアップは、性能向上に向けてSRAMベースのプロセッサを確立する動きを見せている。


