Intelは10月9日(米国時間)、Intel 18Aプロセスを採用した「Core Ultra Processor(Series3)」(開発コード名:Panther Lake)の概要を発表したほか、2025年末までに一部製品の出荷を開始する予定であることも発表した。

また併せて、2026年上半期に発表を予定しているIntel 18Aプロセス採用のサーバプロセッサ「Intel Xeon 6+プロセッサ(開発コード名:Clearwater Forest)」も公開した。

  • 新設されたIntelアリゾナ工場Fab 52の前でCore Ultra Series3の300mmウェハを手にするLip-Bu Tan CEO

    新設されたIntelアリゾナ工場Fab 52の前でCore Ultra Series3の300mmウェハを手にするLip-Bu Tan CEO (出所:Intel、以下すべて同様)

Intel 18Aベースで高いAI PCパフォーマンスを提供するPanther Lake

Core Ultra Series3は、AI PCから、ゲーム機、エッジ・ソリューションまで、幅広いデバイスを対象にしたIntel 18Aを採用する初のクライアント向けSoC。最大16個構成のPコア(Cougar Cove)とEコア(Darkmont)の採用により、前世代比で50%以上のCPUパフォーマンスの向上を実現したほか、GPUとして最大12個の第3世代Xeコア(Xe3)を搭載し、前世代比で50%以上のグラフィックス性能を向上。また、50TOPSを提供する第5世代NPUを含めたバランスのとれたxPU設計を採用することで最大180TOPSを実現した点などが主な特長となっている。

また、これらの多彩な機能によりPCだけでなく、ロボットの制御系やAI/認識などへの展開も予定されており、Intel Robotics AI software suiteなどと組み合わせることで、高度なAI機能を備えたコスト効率の高いロボットを短期間で開発できるとしている。

  • Panther Lakeのチップ
  • Panther Lakeのチップ
  • Panther Lakeのチップとタイルの概要

次世代のデータセンターに求められる電力効率と拡張性を提供するClearwater Forest

一方のClearwater Forestは、Panther Lakeと同じEコア(Darkmont)を採用したサーバプロセッサで、2026年前半に発売される予定。

タイル(チップレット)構造を採用し、CPUコアのコンピュートタイルは最大12基、1基あたり6個のモジュールを搭載し、モジュールあたり4コアを備えるため、コンピュートタイル1基あたり24コア、最大12基で288コアを提供する。また、サイクル当たりの命令実行数(IPC)は前世代比で17%増加したほか、密度、スループット、電力効率の向上が図られ、ハイパースケーラーやクラウド・プロバイダー、通信事業者にワークロードの拡張、電力コストの削減、高度なインテリジェント・サービスを提供するとしている。

なお、Intel 18Aは、Intel 3比でワット当たりパフォーマンスを最大15%、チップ密度を30%向上したという。技術的には、「RibbonFET」(いわゆるGAA)ならびに裏面給電技術「PowerVia」を採用した点が特徴となっており、今後、少なくとも3世代のクライアント/サーバ製品の基盤として活用される予定だという。

Intel 18Aはオレゴン州の同社拠点にて開発および製造認定に基づく初期製造を経て、現在、アリゾナ州チャンドラのFab 52にて量産体制の構築が進められているという。

  • Intel Fab 52の全景
  • Intel Fab 52の全景
  • Intel Fab 52の全景

  • Intel 18Aの製造を担当するIntel Fab52のクリーンルーム

    Intel 18Aの製造を担当するIntel Fab52のクリーンルーム内部の様子