2024年の車載半導体市場は680億ドル規模

仏Yole Groupが発行した調査レポート「Automotive White Paper Vo.2」によると2024年の車載半導体市場は680億ドルであったという。

半導体メーカーの本社設置場所で見た国・地域別市場シェアは、米国が36%、欧州が35%、そして日本の19%、中国4%、その他6%と続いており、日米欧の3地域で全体の9割を占めている。

また、2024年から2030年にかけての年平均成長率(CAGR)は自動車産業全体が2%と緩やかながら、車載半導体だけで見ると同10%で成長し、2030年には1320億ドルに到達すると予想されるという。自動車産業全体に比べて車載半導体のCAGRが高い理由としては、自動車がSDV、コネクテッド、そして自動走行へと進化が進む中で中心的な役割を果たしているためだとYoleでは指摘している。 この2030年の車載半導体市場を国・地域別に技術ノード別の比率で見ると、欧米ならびに台湾は5nm以下の先端プロセスの割合が比較的高いが、日本ならびに韓国は低めにとどまっており、中国、東南アジアはより成熟したプロセスの割合が高い状況になると予想されるという。

  • 2030年における車載半導体の各地域・国別の技術ノード別割合予測

    (左)2030年における車載半導体の各地域・国別の技術ノード別割合予測、(右)2024年の車載半導体市場の国・地域別シェア (出所:Yole Group)

このほか、同レポートでは、車載半導体市場において、既存の大手半導体企業と新興企業がそれぞれどのように自らのポジショニングを再構築し、価値を獲得しようとしているかの検証も行っているという。それによると、車載半導体市場はトップのInfineon Technologiesをはじめ、NXP Semiconductors、STMicroelectronics、Texas Instruments、ルネサス エレクトロニクスといったトップ5が市場の半分を抑えているが、新興企業たちがそうしたリーダー企業に対する競争を仕掛ける動きを見せており、例えば中国は、国内の電気自動車(EV)の競争においてLiDARを差別化要因として位置付けているとする。

こうした中国企業は政府からの支援を受けて自立的な半導体エコシステムの確保に向けた能力構築に積極的に取り組んでおり、特にコックピット、ADAS、SiCパワー半導体の分野での激しい動きを見せている。また同時に、米Tesla、中BYD、中NIOといったOEMが垂直統合を加速させており、従来のサプライチェーンに破壊的な変化をもたらし、エコシステム全体における価値創出のあり方を変革しつつあるが、地政学的リスク、AI主導のコンピューティング要件、そして集中型車両プラットフォームへのアーキテクチャシフトといった課題も立ちはだかっており、サプライチェーン全体のレジリエンス(回復力)が試されることになるとYoleでは指摘している。

なお、車載半導体も手掛けるファウンドリであるTSMCならびにSamsung Electronicsは、少なくとも2027年まではサブ16nmの先端プロセスでの優位さを維持すると予想されるという。