東京大学 生産技術研究所(東大 生研)とダイセルは10月1日、産学連携体制の下、東大 生研の国際的かつ多様性に富んだ環境を活用して次世代の研究者育成に取り組むため、同研究所内に「ダイセル人を繋ぐエレクトロニクス」寄付研究部門を設置したことを発表した。

1949年に設置された東大 生研は現在、およそ120の研究室を擁し、約400名の教職員を含む総勢1300名以上が教育研究活動に従事している。同研究所では、工学のほぼ全領域を包含する総合工学研究所として、先端的な工学知を創造・発信するとともに、社会におけるさまざまな課題の解決や産業の創成に貢献し、数多くの分野融合かつ国際的な活動を組織的に展開している。

その中では、研究教育のより一層の活性化を図ることを目的として、民間などからの寄附による“寄付研究部門”を開設しているとのこと。そこでは具体的な研究分野を協議設定し、新規研究分野の発展、境界領域の育成、そして既存分野の活性化に役立てているとする。

一方のダイセルは、「健康」「安全・安心」「便利・快適」「環境」をキーワードに、幅広い事業領域において社会と人々に役立つ素材を提供している企業。エレクトロニクス分野においても、機能フィルムや半導体材料などさまざまな研究開発を行い、パートナーと協力して未来に向けた価値創造に挑み続けているという。

そして今般両者が設置する「ダイセル人を繋ぐエレクトロニクス」寄付研究部門では、人とエレクトロニクスを繋ぐエレクトロニクス技術を、材料・デバイス・応用のマルチスケールで開発するとした。具体的には、生体と同じようにしなやかで柔らかく生体適合性の高い電子材料とその加工技術、それらを用いた肌に自然に密着して違和感なく機能する電子デバイス(センサ・ディスプレイ・回路)、あるいはヘルスケアデバイスやヒューマンコンピュータインタフェースとしての応用探索を進めるとのこと。人と優しく繋がるエレクトロニクス技術は、疾病の予防や早期発見を可能にするヘルスケアデバイスや、人と人の交流を自然に活性化する情報端末などを実現できるとする。

さらに同研究は、研究者や学生の国籍、研究分野(化学合成から生体応用まで)において多様性に富んだ環境の中で推進されるといい、特定の分野や枠組みにとどまることなく、化学や社会全体を広く見渡す視点と知識を備えた研究者の育成を目指すとしている。なお同研究室の設置における寄附金額は総額9000万円で、2028年9月30日までの3年間の設置期間を予定しているという。