中国政府がNVIDIA製品の販売中止を中国企業各社に指示」

中国のインターネット規制・監督を担う中国国家インターネット情報弁公室(Cyberspace Administration of China:CAC)が、中国内の大手テクノロジー企業各社に対し、NVIDIAのすべてのAI半導体の購入を停止し、既存の注文についてもキャンセルを命じたと英Financial Times(FT)が9月17日付で報じている

同紙が3人の関係者による話として伝えたもので、CACは今週、バイトダンスやアリババなどに対し、NVIDIAのGPU「RTX Pro 6000D」のテストと発注を中止するよう指示を出したという。複数の中国企業がRTX Pro 6000Dを数万個規模で発注することを示唆し、NVIDIAのサーバー供給業者と試験や認証作業を進めていたというが、CACの命令を受ける形で作業を停止させた模様である。

また、中国の規制当局は最近、ファーウェイやカンブリコン・テクノロジーズなどの中国半導体メーカーや、独自半導体を開発している検索大手のバイドゥやアリババに対し、NVIDIAの中国向けAI半導体と各社のAI半導体の性能比較などの報告を求めたとも言われている。

これに先立つ形で中国当局は9月15日、NVIDIAが2020年に行ったMellanox Technologiesの買収について独占禁止法に違反したと認定。中国国家市場監督管理総局によれば、暫定調査の結果、NVIDIAがMellanoxを買収した際に違反があったことが分かったとしている。

米国政府に中国市場での売り上げの一部を納めることと引き換えに中国市場でAI半導体の拡販を狙うNVIDIAだが、逆に中国政府からの締め付けは厳しくなるばかりといえる状況となっている。

ファーウェイ子会社がNVIDIA本社キャンパスに10年間同居か? 米国連邦議会が調査

また、ファーウェイについては、米国における研究開発子会社であるFuturewei TechnologiesがNVIDIAとカリフォルニア州サンタクララのNVIDIA本社キャンパス内の建物(NVIDIAと同一住所)を2024年まで10年以上にわたり共有していたことが、米国連邦議会の超党派の「中国共産党に関する特別委員会(United States House Select Committee on Strategic Competition between the United States and the Chinese Communist Party)」によって明らかにされた模様である。

同委員会のモーレナー委員長(共和党)とクリシュナムルティ民主党筆頭理事が共同で、9月14日付でNVIDIAと同居していた理由を説明するよう要求した書簡をFutureweiに署名・送付したという。その内容は施設選定に関連するすべての文書・通信記録と、NVIDIAに関連した活動の説明について9月28日までに提供するよう求めるものとなっている。

Futureweiは現地にある3棟の建物について賃貸契約を結んでいたが、2024年にNVIDIAが完全な管理権を取得したと両議員は指摘しており、この同一拠点の使用によってFutureweiが米国の最先端半導体およびAI技術に前例のない形でアクセスできたのではないかとしている。

なお、米国現地メディアによると、中国によるスパイ活動の疑惑を調査する動きがNVIDIAにも及んでいるという。

  • NVIDIAの米国本社キャンパス全景

    NVIDIAの米国本社キャンパス全景。白丸で囲んだ建物をファーウェイの米国子会社が昨年まで使用していたという (出所:米連邦議会特別委員会公開書簡)