米国ビジネスマンの出張ニーズが高まる熊本市

アメリカン・エキスプレスが出張トレンド調査「Amex Trendex: Business Travel Edition」を発表した。

それによると、米国におけるシニアビジネスリーダーの9割以上が今後12か月間における出張について、「現状維持または増加する」と回答し、出張の重要性や価値が高まっていることが示されたという。また、そうした米国のビジネスマンの出張ニーズが増加傾向にある都市としては、初めて日本の熊本市、アイルランドのコーク市、スウェーデンのマルメ市という米国外の3都市が、米国内の5都市(バージニア州リッチモンド市、オハイオ州コロンバス市、サウスカロライナ州チャールストン市、アイダホ州ボイジー市、ルイジアナ州ニューオーリンズ市)とともに選定されたという。

この都市の選定方法としては、法人顧客の利用状況や、ホテルや航空券取引の年対比の伸びに基づき、出張先として特に注目すべき都市を特定したという。調査対象者は米国においてフルタイムで勤務し、過去12か月間に2回以上業務目的で航空機を利用し、出張費を自ら申請している1005名および、米国において従業員数が50名以上の企業で、出張に関する意思決定を担うフルタイム勤務者502名で、熊本市については半導体製造業を中心とする国際的なビジネス拠点であるためとしている(調査期間は2025年5月15日~23日、オンライン調査)。

背景に半導体工場の進出に伴う産業活性

具体的には、「シリコン・アイランド」とも称される九州は日本国内における半導体産業の要衝として発展し、200社を超える主要企業が拠点を構えており、中でも熊本市はTSMC(JASM)が新工場を立ち上げるなど、半導体産業の急成長に伴い、関連装置メーカーや材料サプライヤー、研究開発施設に加え、食品生産や医療分野まで幅広い関連企業が集積し、業種を超えた連携の機会を生み出すとともに、それに伴う出張の需要拡大にもつながっているためだとする。

また、同調査において出張者や企業は、ビジネスの成長に向けた機会創出が出張を推進していると回答しているほか、今後12か月間の出張の増加または維持の主な理由として、「クライアントとの時間を維持・増加させるため」が64%、「新規または追加のビジネス獲得のため」が59%と多く挙げられている。外部環境が変化する中でもこの傾向は変わっておらず、意思決定者の92%、出張者の88%が「変化し続けるビジネス環境において、対面での会議のために出張する価値がある」と回答しているという。

このほか、企業の93%が「対面での会議やイベントはビジネスの成長に寄与する」と回答しているほか、出張者の87%は「クライアントとの関係はバーチャル会議よりも対面の方が良好になる」と回答したという。この結果についてアメリカン・エキスプレスでは、単なる感覚的な数字ではなく、企業は「売上(66%)」や「クライアントからのフィードバック(60%)」を指標として、出張のROI(投資対効果)を測定しているとしつつ、企業の90%は「現在のビジネス環境では出張費用の管理が重要になっている」と回答し、60%が「今後12か月間で予算最適化への注力が強まる」と予測しているとも説明している。

なお今回の調査で注目すべきとされた8都市とその理由は以下の通り。

米国外の都市

  • 熊本(日本):半導体製造業を中心とする国際的なビジネス拠点
  • コーク(アイルランド):イノベーションと投資が集まる都市
  • マルメ(スウェーデン):スタートアップ・ビジネスが活発な北欧の拠点

米国内の都市

  • リッチモンド(バージニア州):ビジネス支援体制が整い、経済拠点として成長中の都市
  • チャールストン(サウスカロライナ州):南部地域における顕著な経済発展を遂げている都市
  • コロンバス(オハイオ州):会議開催地から多面的な魅力を有する州都へと発展
  • ボイジー(アイダホ州):ロッキー山脈西部において新たに台頭する人材誘致の中心地
  • ニューオーリンズ(ルイジアナ州): 「Big Easy」としても知られ、イベント開催地として人気を博す都市