堀場製作所は8月27日、糖尿病や感染症のスクリーニングに用いられるさまざまな項目について、微量の血液で院内にて即時検査を行える遠心方式血液分析装置「Yumizen Banalyst M120」を発売したことを発表した。

  • 遠心方式血液分析装置「Yumizen Banalyst M120」

    発売が発表された遠心方式血液分析装置「Yumizen Banalyst M120」(出所:堀場製作所)

糖尿病スクリーニングの効率化に期待

近年では生活習慣や社会環境の変化に伴い、開業医にかかる糖尿病患者数が急増している。加えて患者層の高齢化や医療法改正などの市況変化により、地域医療の現場では限られた時間・人員で効率的に高精度の検査を行う体制の構築が求められているという。

こうした課題に対して堀場製作所は、以前より開業医市場向け製品として、血液の成分を測定する血球計数や炎症の指標となるCRP(C反応性たんぱく)濃度、血糖値やヘモグロビンA1cなどの糖尿病に関連する検査項目において、即時に検査を行いその場で結果を提供する血液検査機器を幅広く展開してきたとのこと。そして今般、高い測定精度を備えながら、より小型で設置しやすいデザインを実現した新製品として、Yumizen Banalyst M120の発売に至ったとする。

新製品では、内部機構やシーケンスの見直しにより、ヘモグロビンA1c、CRP、高感度CRP、シスタチンCの全項目で測定時間を短縮。特にヘモグロビンA1cの検査では約2分30秒の短縮(約33%)、CRPでは約1分20秒の短縮(約17%)が実現されたといい、検査の回転率向上を通じた医療現場の業務効率化に貢献するとしている。

またμTAS(マイクロタス)技術の応用により、微量の血液でも高精度での測定が可能とのこと。特にヘモグロビンA1cは、糖尿病患者のモニタリング指標としても使用されることから、測定結果に高い安定性および精度が求められる中、新製品ではこうした要件に応える測定性能を備え、診療現場での信頼性の高い診断を支援するとともに、治療方針の検討においても有効な判断材料として活用できるとする。

加えて、測定終了後から次の検査までに要していた装置の待機時間を削減し、連続測定に対応した新製品では、従来比で最大約40%の時間短縮を実現。さらに、従来製品で必要とされていた測定手順の簡略化や、装置の起動・終了を自動で実行するタイマー機能など、ユーザーの操作性や業務の利便性を高める機能を新たに搭載しているとした。

そして新製品は、堀場製作所の電子カルテ連携ソフト「GATELINK」とも連携しており、測定結果は電子カルテへと自動で送信できるのに加え、同社の医用機器を対象とした総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE next」との連携にも対応予定だという。これにより、Yumizen Banalyst M120から取得した測定データの月次集計や、医療法改正により提出が義務付けられる測定標準作業所などの帳票が、自動で作成可能に。データ管理の負担や入力ミスによるリスクの軽減に寄与する見込みだという。

堀場製作所は、新製品の展開を通じて測定から電子カルテ連携までの業務効率化を支援し、地域医療における“かかりつけ医”の機能強化と質の高い医療サービスの提供に貢献していくとしている。