ゲーミフィケーション技術を活用した製造DXプロジェクトを立ち上げ
荏原製作所は、製造業における技能伝承や現場の属人化といった課題対応に向けてゲーミフィケーション技術を採用した新たな製造DXプロジェクト「EBARA-D3」を立ち上げたことを発表した。
同プロジェクトは、日本の製造業における技術者や職人の高齢化に伴う退職などに伴う人材不足ならびに技術継承の難しさが問題視されていることを踏まえ、ものづくりにおける技能を次世代につなぐことを目的に、日本の製造業の知識、技(技能・技術)、哲学を形式知化・可視化し、ゲーミフィケーション技術を用いることで、誰もが育ち、誇れる製造現場をDXで構築することを目指して立ち上げられたもの。
2つのデジタルツインと技能伝承・教育システムを連携
従来の設備や工程をデジタル再現するデジタルツインに加えて、知識や技(技術・技能)、哲学などの判断や感覚に紐づく定量化が難しい暗黙知についても3D空間上で再現することを可能とする「人が主役」のデジタルトリプレット(D3)をベースとしており、そこにゲーミフィケーション技術を採用することで、学習を「楽しみながら続けられる体験」に変換し、技能の平準化と定着を加速することを可能としたとする。
具体的には、独自のナレッジデータ基盤で工場内に存在するモノや人をデジタル化し、メタバース空間上で再現することによってさまざまな検証やシミュレーションを実施することを可能とした「Beyondverse(ビヨンドバース)」と、個々人のスキルに関する情報の管理とスキル向上に資する教育コンテンツを提供して、スキルを定量的・客観的に評価・可視化しデータベース化することで、それぞれに適した教育メニューや成長計画の策定、計画的な人材育成を可能とするほか、熟練者が持つ「匠の技」や「判断の勘所」を細かく分解し、映像・VRなどのデジタル教材に落とし込むことで、暗黙知を体系化したものをゲーミフィケーション技術を活用することで学習意欲の向上や匠の技のスキル習得と全社的な技能の平準化を実現する技能伝承・教育体系システム「DOJO(ドウジョー)」の2つの中核プラットフォームを密接に連携させる形で実現されており、同社では、この2つを密接に連携させることで、技能伝承だけでなく、より最適な人員配置を実現することができるようになると説明している。
自社利用のみならず外販なども検討
すでに2025年より藤沢工場への試験導入を実施。そこで得た成果をもとに、国内の他事業所にも展開していく予定だという。また、今後については、同様の課題を抱える企業との連携を広げ、この取り組みを日本の製造業全体へ波及させることを目指すとしているほか、EBARA-D3の外販やSaaS提供も視野に入れていくともしている。

