ルネサスがHMI向け製品ラインナップを拡充
ルネサス エレクトロニクスは7月29日、同社の64ビット汎用MPU「RZ/Gシリーズ」を拡充し、産業・民生の高性能HMIシステム向けに最適化した「RZ/G3E」を発表した。
構成はCortex-A55×4+Cortex-M33×1+Ethos-U55×1
同製品は、CPUにArm Cortex-A55×4(最大動作周波数1.8GHz)とCortex-M33×1を搭載したほか、AI処理向けNPU「Arm Ethos-U55」(512GOPS)を搭載したことで、CPUの負荷を下げつつ、画像分類や物体認識、音声認識、異常検知などのAI処理を実行することを可能としたもの。また、HMI機能として、60fps対応のフルHD映像を独立した2つの画面に表示可能で、ディスプレイ出力は、LVDS(デュアルリンク)、MIPI-DSI、パラレルRGBの3方式に対応するほか、MIPI-CSIカメラインタフェースも搭載し、映像入力を活用したセンシング用途にも対応するとしている。
さらに通信インタフェースとして、PCI Express 3.0(2レーン)による最大8Gbps通信、USB 3.2 Gen2による10Gbpsのデータ転送、2チャネルのギガビットイーサネットなどを提供。さまざまな外部ストレージやクラウドなどとのスムーズな接続を可能とするともしている。
加えて、待機電力を削減する電源制御機能も搭載。サブCPUと周辺機能を維持しながら50mWクラスの消費電力にまで下げることができるほか、ディープスタンバイモードでは、1mWクラスまで待機電力を低減することができつつも、メモリデータを保持するためのDDRセルフリフレッシュ機能をサポートしているためLinuxアプリケーションの短時間復帰を可能としたとする。
なお、同製品はすでに量産を開始済みで、15mm角529ピンFCBGAならびに21mm角625ピンFCBGAで提供されるという。