宇宙でのダイヤモンド半導体の活用に向けてJAXAとPDSが協力

ダイヤモンド半導体デバイスの研究開発を行う早稲田大学(早大)発スタートアップの「Power Diamond Systems(PDS)」は7月23日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究契約に基づき、宇宙・航空分野におけるパワーエレクトロニクスとしてのダイヤモンド半導体デバイスの適用可能性についての検証を目的とした共同研究・共同実証を開始することを発表した。

近年、宇宙活用に向けた動きが世界中で活発化しており、宇宙探査や地球観測、衛星通信などの役割を担う宇宙機にも高性能かつ高信頼性な電力変換技術が求められるようになっている。現在、パワー半導体としては、Siに続く次世代半導体としてGaNならびにSiCが市場として育ちつつあるが、さらなる高性能化に向けて、大電流・高耐圧・高温動作・高放射線耐性といった特性が期待できるダイヤモンド半導体の実用化に注目が集まるようになってきている。

PDSの産業/電力向けノウハウとJAXAの宇宙の知見を融合

PDSでは、これまで産業用途、電力インフラなどに向けたダイヤモンド半導体技術の開発を進めてきたが、今回の共同研究では、そうして培ってきたダイヤモンドパワーMOSFETの設計・製造技術を活用し、JAXAが持つ宇宙環境評価技術・宇宙機システム知見と融合させることで、宇宙用途における将来的な実装シナリオの検討を進めていくことを目指すとしている。具体的には、実用化に向けた評価と基礎データの取得を進め、厳しい宇宙環境下におけるダイヤモンド半導体の適用可能性を科学的に検証していくという。