TrendForceによると、NAND市場は2025年前半に行われたサプライヤ各社の減産と在庫削減策によって需給バランスが改善に向かっており、サプライヤ各社が生産能力をより利益率の高い製品にシフトするにつれ、全体的に供給が逼迫しつつあるという。

一方、需要面では、AIへの投資とNVIDIAのBlackwellチップの出荷が下支えとなり、第3四半期におけるNAND全体の平均契約価格は前四半期比で5~10%上昇すると予測されるという。

  • NAND契約価格の2025年第2四半期(実績)および第3四半期(予想)の伸び率

    NAND契約価格の2025年第2四半期(実績)および第3四半期(予想)の伸び率 (出所:TrendForce)

SSD関連の契約価格は軒並み上昇へ

アプリケーション別に見ると、クライアントSSDは2025年前半のOEMおよびODMによる在庫処分が予想以上に進んだことを受け、同第3四半期は在庫補充の動きが期待される。この牽引役としては、Windows 10のサポート終了、新CPUの発売に伴う買い替え需要の増加、中国でのDeepSeek一体型PCへの関心の高まりなどが挙げられるほか、サプライヤ側も大容量QLC製品の積極的な販売促進に注力しており、出荷量の増加を加速させており、結果として、クライアントSSDの同四半期の契約価格は同3~8%上昇と予測されるとする。

また、エンタープライズSSDについては、NVIDIAのBlackwellプラットフォームの出荷が四半期ごとに増加しており、北米での汎用サーバ需要の拡大に加え、中国の大手顧客からの受注も堅調で、下半期も継続すると予想される。さらに、サプライヤ各社が実施した減産もあり、受注の急増に伴う一部サプライチェーンベンダにおける納期の遵守への苦戦が続いているなどの影響もあり、契約価格は同5~10%ほど上昇すると予測されるとしている。

eMMCとUFSの需要は横ばい、ウェハ供給は制約に直面

一方、モバイル分野では、中国の消費者向け電子機器補助金政策が下半期も継続されるものの、消費者需要の大部分がすでに満たされていること、ならびに米国の関税によるプルイン効果も弱まることから、eMMC需要は低迷しているという。

そうしたこともありサプライヤはローエンドモデルの生産を削減し、ウェハ価格の引き上げを図っており、結果としてモジュールメーカーのコストが上昇し、出荷の勢いの鈍化と在庫の増加が発生しているという。その結果、第3四半期のeMMCの契約価格は同0~5%の上昇に留まると予想されるとする。

UFSについても、スマートフォン(スマホ)の需要が依然として不透明なことに加え、自動車市場での採用もまだ初期段階にあるため、ピークシーズンである第3四半期は低調となっている模様である。また、NANDのサプライチェーンは生産能力配分において利益率を優先するため、UFSの供給は限定的となっており、その契約価格も同0~5%上昇に留まると予測されるという。

このほか、ウェハについては、第2四半期にサプライヤ各社がエンドマーケット向けアプリケーションを優先したことでモジュールメーカーの供給が圧迫されたことで在庫が増しているという。また、エンドマーケットにおけるコンシューマグレードNANDの需要が低迷していることから、一部のモジュールメーカーが第3四半期に調達に慎重な姿勢を見せている一方で、サプライヤ各社はより利益率の高い製品への注力により、ウェハの供給量を削減していることから、第3四半期の契約価格は同8~13%ほど上昇すると予想されるとしている。