DNPがオランダに研究開発拠点を開設へ

大日本印刷(DNP)は7月11日、同社初となる海外研究開発拠点をオランダの「ハイテクキャンパス アイントホーフェン(High Tech Campus Eindhoven:HTCE)」に2025年9月に開設する計画を発表した。

HTCEには、約300の企業や研究機関、1万2500人以上の研究者・技術者・起業家が集まり、革新的な技術や製品の開発に取り組むヨーロッパの一大イノベーション拠点として知られている。

  • HTCEの外観

    HTCEの外観 (出所:DNP、(C)HTCE)

光電融合向けパッケージ部材の開発を加速

DNPは、この新拠点にて、最初のテーマとして、次世代半導体技術の1つであり、低消費電力かつ大容量通信の実現を可能とする「光電融合(Co-Packaged Optics)」の研究開発を推進するとしており、7月3日付で「オランダ応用科学研究機構(Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk onderzoek:TNO)」と光電融合の共同研究開発に関する契約も締結したとしている。また、研究開発としては、同キャンパス内にあるフォトニックチップ(光ICチップ)の基礎研究から量産にまでつなげる研究組織「PITC(Photonic Integration Technology Centre)」とともに推進していくともしている。

DNPは、現在進めている中期経営計画の注力事業領域の1つに「半導体関連」を定めており、付加価値の高い製品の開発を推進しており、光電融合向けパッケージ部材もその中の1つとして開発が進められている。今回の新拠点開設は、こうした取り組みを加速させることを目時としたもので、PITCなどと3年間の共同研究を行うことで、光電融合に関する「光学材料の精密パターニング技術」など、最先端の技術獲得やパートナー企業などの開拓を目指すとしている。

なお、DNPでは、グローバルな研究開発をさらに推進し、社会課題や世界情勢、メガトレンドを見据えながら、オランダ以外での新たな海外研究開発拠点の開設も目指していくとしている。