独自フィルタ技術を採用した高周波フィルタを製品化

村田製作所は7月8日、櫛型電極と圧電単結晶薄膜を活用してバルク波を励振させる独自のフィルタ技術である「XBAR技術」を適用した高周波フィルタの量産出荷を開始したことを発表した。

  • XBAR技術を用いた高周波フィルタ

    XBAR技術を用いた高周波フィルタ (出所:村田製作所)

高速化・大容量化ニーズが高まりを見せる無線通信の分野では、3GHz以上の高周波数帯において、従来は必要な周波数の信号を取り出すことを目的としたLTCCフィルタやBAWフィルタが用いられてきたが、LTCCフィルタや従来のBAWフィルタは高周波数帯において減衰量が十分でなく、ノイズの原因となる周辺周波数の不要な信号も通してしまうという課題があった。

高周波数帯の通信で求められる低損失・広帯域の両立を実現

同製品は、同社が2022年に買収したResonantのXBAR技術と村田製作所のフィルタ技術を融合して開発したもの。3GHz以上の高周波数帯においても高い減衰量を実現し、ノイズの発生を抑制することが可能なほか、高周波数帯の通信で求められる低損失・広帯域の両立も実現しているため、高速・大容量の高品質通信を実現できるようになるとする。

また、XBAR技術について同社では、6Gの10GHz以上の超高周波数帯でも高い減衰量および低損失・広帯域を実現可能な技術であるとしており、今後も市場ニーズに応じた高周波フィルタ部品の開発に取り組んでいくことで、無線通信技術の高性能化・高機能化に貢献していきたいとしている。