SkyWaterがInfineonの米国工場買収を完了

レガシー半導体ファウンドリである米SkyWater Technologyは6月30日(米国時間)、英国テキサス州オースティンにあるInfineon Technologiesの200mm半導体工場(Fab 25)の買収を完了したことを発表した。

Fab 25は元々AMDのMPUファブ(Fab25)として建設されたもので、AMD製造部門出身のSkyWater社長のトーマス・ソンダーマン氏にとっては、ノスタルジックな古巣を入手したことになる。

米国での製造能力を年間40万枚規模で拡大

Fab 25の買収によりSkyWaterは年間約40万枚(200mmウェハ)の生産能力が追加されることとなり、事業強化を図ることが可能となる。SkyWaterでは、同施設について、組み込みプロセッサ/MCU、メモリ、ミクスドシグナル、RF、および電源アプリケーションをサポートする基礎的な半導体技術の国内製造を拡大する上で中心的な役割を果たすことになるとする。

さらに、この取引により、工場の能力をIDM向けから純粋なオープンアクセス半導体ファウンドリとしての運営へと転換することで、130mm〜65nmプロセスのいわゆるレガシー半導体生産の国内化が促進されるともしており、これにより産業、自動車、防衛分野の同社顧客に対する米国内ファウンドリサービスを拡大することができるようになるとしている。

米国の半導体ニーズをデュアルソースでサポート

今回の買収完了により、SkyWaterは基盤ノードである200mmファウンドリのキャパシティをミネソタの本社工場とのデュアルソースでサポートすることが可能となり、これによりSkyWaterでは、米国半導体サプライチェーンの強化を目指す国内オンショアリングと再産業化の取り組みを直接的に支援するものになるとする。加えて、SkyWaterは、すでに米国国防総省のサプライチェーンセキュリティ規制に合致した半導体工場として認められており、安全で需要の高い技術に対応するオープンアクセスインフラへの転換を進めていくこととなる。

今回の取引においてInfineonは長期供給契約を締結しており、米国における効率的かつスケーラブルな製造拠点を維持できるとしている。

SkyWaterによるFab 25の買収は、取引完了時に7,300万ドルの支払いに加え、運転資金として取引完了時に約2000万ドルの追加支払い(調整の可能性あり)で構成されている。取引条件は2025年2月26日に発表されたものから変更され、取引完了時に支払うべき金額が1800万ドル増加し、複数年供給契約の締結時に支払うべき2500万ドルが削除された。買収のためのファイナンスは、SkyWaterの融資パートナーであるSiena Lending Group、Great Rock Capital、Benefit Street Partners、およびAres Credit Groupから5年間、最大3億5000万ドルのシニア担保付リボルビング・クレジット・ファシリティの形で提供された。これは、SkyWaterの既存の1億3000万ドルのリボルビング・クレジット・ファシリティに代わるもので、買収初期費用、継続的な設備投資、運転資金需要、および一般的な企業目的への資金調達において、より高い柔軟性を提供するものとなるという。