テレワークやワーケーションといった場所を問わない新しい働き方が現在は当たり前に行われるようになった。一方で、パンデミックも落ち着いた現在は、新しい働き方と並行して出社に回帰する従来型のワークスタイルもまた一般的になってきた。
また、パソコンを取り巻く環境も大きく変化している。今年の10月にはWindows 10のサポートが終了を迎える。業務においても徐々にAIの活用が始まるなど、時代の変化にあわせた新しいPCの導入が急務という企業は多いだろう。
そこで今回は、この変化にフレキシブルに対応できるノートPCとして、デル・テクノロジーズの「DELL Pro 14 Premium」「DELL Pro 13 Premium」を紹介していこう。
どちらも2025年発売の最新ノートPCだが、具体的にどのような部分が今の時代に合ったノートPCかを確認してほしい。
軽量、コンパクトながらも高性能
「DELL Pro 14 Premium」「DELL Pro 13 Premium」はその名の通り、画面サイズが14インチ、または13インチのモバイルノートPCだ。本体重量はそれぞれ約1.14kg、約1.1kgと軽量で、ディスプレイを閉じた状態での厚みは20mmを切る。軽量かつコンパクトで、持ち運びに適したノートPCといえる。
2機種とも基本仕様は同一だ。搭載されているCPUはIntelの最新CPU「Intel Core Ultra 200Vシリーズ」。今回レビュー用に借りた機材は、どちらのモデルにも「Intel Core Ultra 7 266V」が搭載されている。
Core Ultra 7 266Vは高性能のPerformanceコアが4コア、省電力性に優れるEfficientコアが4つ、合計で8つのCPUコアを持ち、内蔵されるグラフィックス機能も最新の「Intel Arc」を採用する、モバイル向けながらもかなり高性能のCPUだ。さらにAI処理を担当する「NPU」も搭載し、Microsoftが定めるAI PC「Copilot+ PC」にも準拠している。
その他の基本仕様だが、メインメモリ容量は16GB、または32GB、ストレージは高速なM.2 NVMe SSDを搭載している。SSDの容量はカスタマイズで、最大2TBまで選択可能だ。
ディスプレイはCTOで1920×1200ピクセルの液晶、または2560×1600ピクセルの高解像度パネルを選択できる。さらにDELL Pro 14 Premiumでは高解像度パネルを選択すると、より鮮やかな有機ELを選ぶことも可能。
ディスプレイ表面は光沢仕上げで写り込みが少々気になるが、代わりにCorningのGorilla Classを採用しているので傷付きづらく、ノートPCのトラブルに多いディスプレイ破損が起きづらいようになっている。
薄型のモバイルノートPCだが本体左右の外部接続端子も充実している。外部接続端子は両モデルで数も配置も全く同一だ。
左側面にはHDMI出力御ポート、Thunderbolt 4にも対応するUSB Type-C、3.5mmのヘッドフォンジャック。右側面にはUSB Type-A、USB Type-C、そしてセキュリティワイヤースロットがある。
また今回のレビュー機にはオプションの「5Gモデム」が搭載されているため、右側面にはSIMカードスロットも搭載されている。
有線LANポートは搭載されていないものの、Wi-Fiは最新規格の「Wi-Fi 7」に対応しているので、ネットワーク通信速度に不満を感じることも少ないだろう。もちろん、無線機能としてBluetooth 5.4にも対応している。
キーボードは、キー同士が隙間無くタイル状に配置された独特のデザインだ。モバイルノートPCの小さな筐体でもこのデザインにすることでキートップが広く、普段デスクトップPCのキー感覚の広いキーボードを使っている人でも違和感なく打鍵できる。
キーストロークも深く、ホワイトのLEDバックライトも搭載しているので、キーボードとしての使い勝手は良好だ。
そしてトラックパッドはクリックボタンが一体化された大判サイズになっているので、指を複数本使ってのジェスチャー操作も行いやすい。レビュー機ではオプションの「コラボレーションタッチパッド」を搭載しており、ビデオ会議時のカメラやマイクのオン・オフを、トラックパッド上で簡単に操作可能だ。
ボディカラーはチャコールグレー。筐体素材には頑丈かつ軽量なマグネシウム製で、ボディカラーと相まって金属感のある質感の高い仕上げだ。
付属するACアダプタもモバイルノートPCらしく非常にコンパクトだ。
電源ケーブルだけでなく、ACアダプタ本体とPCを繋ぐUSB Type-Cケーブルも取り外しができる。使う場所によってそれぞれ長さの違うケーブルに交換することで、取り回しやすいようにできるのも、使う場所を問わないモバイルノートPCの使われ方を考えた素晴らしい配慮だ。
セキュリティ機能も充実
モバイルノートPCとして心配になるのは、外出先での紛失や盗難など、PC本体に保存された機密情報の漏えいといったセキュリティのトラブルだ。だが、「DELL Pro 14 Premium」「DELL Pro 13 Premium」であれば、その心配も杞憂だ。
生体認証機能として、電源ボタンに一体化された指紋認証機能があるため、複雑なパスワードを設定した上で指紋認証機能を使えば、ログイン画面をバイパスされる心配は少ないだろう。
また、ディスプレイ上部に搭載されたカメラは顔認証にも対応しているため、指紋認証とあわせて設定しておけば、煩雑なパスワード入力を省きつつ、万全のセキュリティを担保することが可能だ。
また、「DELL Pro 14 Premium」「DELL Pro 13 Premium」に搭載されているCPUは「Intel vProR Enterprise プラットフォーム」に対応している。
その中の機能の1つである「Intel AMT(Active Management Technology)」を設定すれば、ネットワークを通じて電源操作や、必要に応じてシステムの再インストールやデータ消去をリモートで行うこともできるので、もしもに備えた安心機能がかなり充実している。
プリインストールされているOSがWindows 11 Proなので、搭載するSSDを暗号化するBitLockerを使用することもでき、万が一SSDを取り外され別のPCにつながれたとしても、記録されたデータを読み出されるのを防ぐことができる。
実際のパフォーマンスも高い、1日充電いらずのスタミナにも注目
仕様の部分でも触れた通り、「DELL Pro 14 Premium」「DELL Pro 13 Premium」には最新CPUである「Intel Core Ultra 200Vシリーズ」が搭載されている。そのため、パフォーマンスは十分に高いのだが、実際にどのくらいの性能なのかをいくつかのベンチマークテストを実行し確認を行った。
まずはブラウジングやドキュメント製作、ビデオ会議や画像編集など、一般的なPC操作でのパフォーマンスをチェックできる「PCMark10」を実行した。結果は、DELL Pro 14 Premiumが「6805」、DELL Pro 13 Premiumが「6787」だ。
このスコアは現行のデスクトップPCとも差がなく、デスクトップ並みの性能をオフィスの外にも気軽に持ち出せると言えば、その性能の高さが想像しやすいだろう。
続いてのテストは、ブラウザでのレンダリング性能を計測する「Speedometer 3.0」だ。ブラウザ上で社内システムなどのWebアプリを使う機会も多く、レンダリング性能が高ければそれだけ普段のPC利用が快適になるといえる。
結果はDELL Pro 14 Premiumが「31.1」、DELL Pro 13 Premiumが「30.4」だ。この結果だが、筆者が普段私用している「Intel Core Ultra 7 265K」など最新のパーツで組んだ自作デスクトップPCと差がない。
これほどまでにパフォーマンスの高いとなると、心配なのはバッテリー稼動時間だ。これも、PCMark10に備わったバッテリーベンチを用いて、ブラウジングやドキュメント作成など一般的なPC操作を行った場合に何時間バッテリーで稼動するかの計測を行った。
結果はDELL Pro 14 Premiumが「15時間11分」、DELL Pro 13 Premiumが「12時間49分」と、どちらも半日以上、バッテリーで稼動するという驚異的なスタミナがあることを確認することができた。
時代の変化に最適化された万能モバイルノートPC
DELL Pro 14 Premium、DELL Pro 13 Premium、どちらのモデルも画面サイズと本体サイズの違いを除けば、ほぼ同一仕様のモバイルノートPCだ。
約1.1kgのボディには、デスクトップPC並の性能が詰まっている。それでいてバッテリー稼働時間は長く、オプションで5Gモデムを搭載すればオフィス以外でもオフィス同等の仕事のパフォーマンスを発揮できる。
もちろん時代の変化に合わせ、今後さらに利用する機会が増えるであろうAIへの対応もしているし、企業としてリスクである情報漏洩への対策も、ハードウェアレベルでの対策も万全だ。時代の変化に最適化されていると言い切れる完成度の高さだ。
DELL Pro 14 PremiumとDELL Pro 13 Premiumのどちらを選ぶかは悩ましい。性能、拡張性は全く同じ。本体サイズの差も僅かとなるので「好み」で選ぶことになるのだが、敢えて選び方を設けるとすれば、それはディスプレイだ。
DELL Pro 14 Premiumのみ、高解像度ディスプレイを選ぶと、色域広く発色の鮮やかな有機ELを選べる。もし動画や写真を取り扱うのであれば、有機ELを選べるアドバンテージは大きい。
とはいえ、どちらのモデルもこれからの時代、仕事のパフォーマンスを上げていく最高の相棒となることは間違いない。これから購入するモバイルノートPCとして、太鼓判を押してオススメできる。