NXPとRimacがS32プロセッサを活用したSDV向けアーキテクチャを開発
NXP Semiconductorsは、高性能制御システム専門サプライヤであるクロアチアRimac Technologyと提携し、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)向け集約型アーキテクチャを共同開発したことを発表した。
共同開発の対象となった次世代ECUプラットフォームソリューションにはNXPの車載プロセッシングプラットフォーム「S32」の1つで、車両の制御をリアルタイムで実現することを可能とする「S32E2シリーズ」が採用された。
Cortex-R52を8コア搭載している高性能プロセッサ「S32E2」
S32E2シリーズは、最大1GHzで動作する8個のArm Cortex-R52プロセッサ・コア、高分解能ADC、最大64MBの大容量不揮発性メモリを搭載しており、同シリーズを活用することで、これまで20個以上を必要としたECUを3個の釉薬型ユニットに統合することが可能になると両社では説明しており、次世代のSDV車両が要求するコネクティビティ、セキュリティ、セーフティといった課題に対応することが可能だとするほか、複数のアプリケーションが同時に動作する車載環境において、リアルタイムで高性能かつ決定論的なドメイン制御やゾーン制御のニーズに応えることが可能になるともしている。
また、ISO 26262 ASIL Dに準拠しており、SDVに不可欠な安全でセキュアな高性能処理を実現し、自動車メーカーの多様なニーズに応えることも可能としており、例えばコアから端子までを機能分離することができる包括的な安全メカニズムを活用することで、機器全体で干渉の発生を防ぎ、問題が発生しても個々のタスク・レベルで回復することができるとするほか、強力なハードウェア・セキュリティ・エンジンの統合により、セキュア・ブート、鍵管理、セキュリティ・サービスなども提供できるとしている。
最初の搭載車両はハイパーカーを予定
なお、Rimacでは、この新たなECUプラットフォームについてRimacグループが展開する高性能かつ高出力車両に位置づけられる「ハイパーカー」に最初に採用を行い、その後、ほかの車両セグメントや代替モビリティ分野にも展開していく予定だとしている。