Micronが1γ採用のLPDDR5Xのサンプル出荷を開始

Micron Technologyは6月3日(米国時間)、EUV露光技術を採用した同社の1γプロセスを採用したLPDDR5Xメモリの認定サンプルの出荷を開始したことを発表した。

同製品は、フラッグシップスマートフォン(スマホ)におけるAIアプリケーションの高速化をターゲットとして設計されたもので、前世代となる1βプロセスを用いたLPDDR5Xと比べて最大20%の省電力化を果たしつつ、10.7Gbpsの転送速度を実電するという。

これにより、例えばLlama 2を使用した大規模言語モデルベースでのモバイルAIアシスタントの応答時間では、1γベースLPDDR5Xの10.7Gbps帯域幅と1βベースLPDDR5Xの7.5Gbps帯域幅の比較で、位置情報に基づいておすすめのレストランを尋ねた場合、応答が30%高速化されたとするほか、英語音声をスペイン語のテキストに翻訳しながら道順を尋ねた場合、結果出力が50%高速されたこと、ならびに車種、価格の手頃さ、特定のインフォテインメント機能や安全機能などの条件に基づきおすすめの車を尋ねた場合、応答が最大25%高速化されるといった結果を得ることができたという。

また、次世代スマホ向け小型ソリューションへの需要の高まりを受け、LPDDR5Xのパッケージ厚みを競合製品比で6%、前世代品比で14%低減させた薄い0.61mmへと薄型化することに成功。これにより、スマホメーカーはより薄型な端末や折りたたみ式スマホの設計自由度を向上させることを可能としたとする。

  • 1γプロセス採用LPDDR5Xのパッケージ外観イメージ

    1γプロセス採用LPDDR5Xのパッケージ外観イメージ (出所:Micron)

サーバやAI PCなどへの適用も想定

AI処理の多くはGPUのみならずメモリ性能(帯域幅など)に起因することが多くあることから、同社ではデータセンターサーバやインテリジェント機能を搭載した車両、AI PCなどの分野でも高い電力効率と高性能を兼ね備えたLPDDR5Xの採用が拡大していくことが期待されるとしている。

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