成長続く半導体市場への対応に向けた新開発棟が竣工
荏原製作所は6月2日、半導体製造装置の開発力ならびにサポート力強化を目的に同社藤沢事業所内に建設を進めていた精密・電子カンパニーの新開発棟(V8棟)が竣工したことを発表した。
半導体市場は多少の浮き沈みはあるものの、長期的には右肩あがりで成長を続けてきた産業で、PCやスマートフォン、IoTなど用途の広がりに加え、AIの活用が劇的に進んでいるといった背景から、その市場規模は2025年に7000億ドルを突破し、2030年には1兆ドルに到達するという予測もある。そうした半導体需要の高まりは、製造装置業界にも波及しており、半導体の表面を平坦化するCMP装置に強みを持っている同社も、多様化する半導体デバイスメーカーやファウンドリからのニーズへのさらなる対応が求められていた。
最先端設備の活用で開発速度を向上
V8棟の建設は、そうした多様化する半導体ニーズに対応することを目指したCMP装置を中心とする半導体製造装置の開発を主な目的として、開発エリアの拡張を図る取り組みで、この竣工により、最先端の開発装置や検査装置、ユーティリティ環境を活用した次世代プロセスの開発が可能となることから、製造装置の開発速度の向上および顧客の開発プロセスへのサポート体制の強化などを図ることができるようになると同社では説明している。